【プロ野球】育成契約だった阪神・原口文仁が正捕手の座を掴む日 (2/2ページ)
■原口に多大な影響を与えた下柳剛と掛布2軍監督
ファームの捕手時代、当時現役だった下柳剛とバッテリーを組んだ際、下柳から多くのことを学び、捕手として必要な知識を蓄え、経験を積めたという。
「投手は球速で抑えるのではなく、それぞれの打者の傾向やボールの軌道の使い方などが大事」と、いかにも下柳らしいアドバイスが、原口の捕手としての引き出しを増やすことになった。
また、掛布雅之2軍監督との出会いが、原口の打撃を変えていった。
インパクトのタイミングが上手く取れないという原口の悩みを聞いた掛布2軍監督は、「マシンではどうしても1球ごとにボールが変化する。フォームを固めるためには、素振りしかない」と素振りの徹底を指示している。
これは現役時代、独身寮・虎風荘の屋上で毎日欠かさずバットを振り続けた掛布2軍監督だからこそ言えるアドバイスで、原口には十分すぎるくらいその思いは伝わったはずだ。
■阪神の主軸で守りの要の捕手としてチームを引っ張る存在へ
1軍選手登録後、原口は金本監督や矢野バッテリーコーチの期待に応え、5月4日までで、打席数は少ないながらも打率は5割をキープ。また、守ってもスタメンマスクで岩貞祐太など投手陣を好リード。横山雄哉のプロ初勝利(7回無失点)も見事にアシストしている。
そして、5月4日にはプロ初ホームランをナゴヤドームのレフトスタンドに叩きこんだ。
中日・吉見一起から放ったその当たりは滞空時間が長く、美しい放物線を描いた。1970年代にファンを魅了した、三代目ミスタータイガース・田淵幸一を彷彿とさせる打球だった。
今回のサプライズな昇格劇は、大きな夢のストーリーの序章でしかない。
田淵のような天才的な素養を持ち、かつ掛布2軍監督のように地道な努力も惜しまない原口。原口が阪神の主軸で守りの要としてチームを引っ張る存在になれば、今後将来、タイガースが強くなっていくことは間違いない。
文=まろ麻呂
- まろ麻呂
- 企業コンサルタントに携わった経験を活かし、子供のころから愛してやまない野球を、鋭い視点と深い洞察力で見つめる。「野球をよりわかりやすく、より面白く観るには!」をモットーに、日々書き綴っている。