そうだったの…?妊娠後「乳首が黒くなりやすい人」の特徴とやっておきたい対処法
一般的に妊娠すると“乳首が黒くなる”といいます。また、男性経験が多い人も黒くなると言われていますが、実はこれに関して言えば科学的な根拠がありません。ですが、妊娠をすると乳首が黒くなってしまうのは科学的な理由があります。
しかし全員が全員黒くなってしまうというわけではなく、中には全く色の変化がなかったという方もいます。
体質的なものもあるのでやはり個人差が大きくあります。ですが、必要なケアをすることで徐々に改善されてくるということが考えられます。
そこで今日は医学博士の筆者が、黒ずみの原因と対処方法についてお話したいと思います。
■妊娠したら起こる「身体の変化」
妊娠するということは排卵された卵子が精子と出会って、受精卵となり、その受精卵が子宮内膜に着床して初めて妊娠成立ということになります。
胎児が大きくなってくるとそれに伴って子宮も大きくなってきます。その子宮が大きくなって圧迫された結果や、妊娠を維持するためのホルモンの分泌などホルモンバランスの変化によって起こるものがあります。
妊娠中は体重が平均すると8~10kg程増えると言われています。もちろん胎児の成長もありますが、それ以外にも子宮の増大や生理的な水分貯留、血液の増加などによるものもあります。このような全身性の変化もあればそれ以外にも子宮の変化、乳房の変化、循環器系の変化、呼吸器系の変化なども挙げられます。
■乳首の黒ずみはいつ起こる?
妊娠すると、早い段階で(妊娠初期の段階)で乳腺の細胞に変化が起こります。これは女性ホルモンの一種である“プロゲステロン”の影響であると言われています
プロゲステロンは妊娠中胎児が出てこないように、それを抑えるため子宮筋が収縮しないように興奮性を抑えてくれる働きがあります。同時に乳房に作用させて乳腺の腺房の発達も刺激してくれます。
ここと乳頭の黒ずみとの関係性が言われておりますが、妊娠8週目頃から乳腺の発育と脂肪蓄積によって乳房自体が大きくなってきます。そして妊娠も20週を超えるころにはプロゲステロンのみならず同じく女性ホルモンの一種であるエストロゲンも多く分泌されるようになります。
これらのホルモンが多く分泌されるとメラノサイトと呼ばれるメラニン色素を作るための細胞が活性化してメラニン色素が多く作られるようになります。一般的に妊娠中にシミやソバカスが増えてしまうとも言われておりますが、これはメラニン色素の沈着ということになります。
メラニン色素はその色素によってお肌を守る働きがあります。乳頭においても、これから生まれてくる赤ちゃんが吸っても乳頭にダメージを与えないように乳頭部分にメラニン色素が沈着して黒ずむと考えられています。
元々メラニン色素が少ないなど、個人差がありますので、一概に全員が全員黒ずむわけではなく、そのような傾向があると考えるのが正しいでしょう。
■黒ずみやすい人の「黒ずみケア」って?
黒ずみやすい方はメラニン色素の沈着が強いということが考えられますので、美白効果の高いケアを行ってみると良いと思います。
食生活において美白効果の期待できるビタミンCやビタミンE、代謝を上げてくれるビタミンB群を摂取するような食事を心がけてください。それと同時に直接黒ずみに作用させる美白クリームなどでケアをしてあげることも重要です。
また、血流が良くないと、血流が良くない部分を守ろうとしてメラニン色素が集まってきてしまいます。少しゆったりとしたブラジャーを着用して、締め付けるのを避けるようにしてみましょう。
ただし、授乳中は乳頭を赤ちゃんが直接吸いますので、授乳中に美白クリームを直接塗るのは避けて、卒乳した後にケアしてあげた方がより良いでしょう。
いずれにしてもある程度黒ずんでしまうのは仕方がないということが言えます。ですが、授乳が終わってからは美白につながるような、今日ご紹介したケアをぜひ試してみてください。
【参考・画像】
※ 坂井建雄・岡田隆夫著(2014)『系統看護学講座、専門基礎分野解剖生理学』(医学書院)
※ Piotr Marcinski、Thanatip S.、Akkalak Aiempradit / Shutterstock
【著者略歴】
※ 川上 智史・・・北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了、医学博士。予防医学を専門とし、医学的に美と健康に主眼を置き研究を続ける。各種教育機関や講演会において予防の重要性を啓発している。