秋津壽男“どっち?”の健康学「眼科医はほとんど眼鏡をしているって本当?コンタクト着用に潜む“角膜障害”のリスク」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 また近年、角膜をレーザーで削って、目の屈折異常を治療する「レーシック手術」も注目を浴びています。最近では手術代も手頃になったうえ、15分程度の所要時間ということも手伝って、たいへんポピュラーになりつつありますが、リスクを考慮すると必ずしも手放しでおすすめはできません。

 最近のレーシックは安全性や治療の成果も上がっていますが、データ上では角膜を削って30年や50年たった場合にどうなるかがわかりません。加えて、レーシック手術により白内障や緑内障になる可能性も否定できず、現段階では安全性が100%担保されていないのです。数年前にアメリカでレーシック禁止の動きがあったのもそのためですが、レーシック手術をするより、眼鏡で十分であれば、あえてリスクを取る必要はないと言えるのではないでしょうか。

 ちなみに白内障は白髪と同じで、年を取れば誰でもなります。100歳まで生きればほぼ白内障になりますが、白内障の手術はためらう理由が見当たりません。手術の際に目に装着するレンズはどんどん進歩しており、近眼や遠視も治せるのです。今は遠近両用の白内障レンズもあるほどで、近眼も遠視も慌てなくても白内障の手術の際についでに治せるのです。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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