ラーメン1杯に7g!減塩をどう思うのかラーメン屋に聞いてみた
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全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。
5月もスタートし、気温もだいぶ温かくなってきて、薄着になる季節が近づいています。夏に向けてダイエット、という方もそろそろ多くなってきていますよね。気になるのはやっぱり毎日の摂取カロリー。
1日に必要なカロリーの目安は、年齢や身体活動レベルによっても違いますが、大体1,500~2,500kcalぐらいの数字にまとまってきます。日本医師会のサイトでご自分の必要カロリーが計算できますので、算出してみてください。
「そんなにラーメンばかり食べていて、なぜ太らないの?」とよくいわれます。太らないラーメンの食べ方についてはまた別にコラムで書きたいと思っておりますが、今回はまずラーメンのカロリーについて見ていきましょう。
■ラーメンのカロリー自体はそんなに高くない
健康管理に関するサイト『イートスマート』によると、ラーメンの平均的なカロリーは以下のようになっています。
醤油ラーメン(477kcal)
味噌ラーメン(506kcal)
塩ラーメン(467kcal)
豚骨ラーメン(499kcal)
つけ麺(662kcal)
担々麺(961kcal)
1日の必要カロリーからいくと、ラーメンのカロリー自体はそんなに高いものではないことがわかります。もちろんお店によって盛りや油の量など違いますので食べ過ぎは禁物ですが、普通に食べる分には問題なさそうです。
つけ麺のカロリーが少し高いのは、麺量の問題ですね。麺がメインの食べ物なので、基本的に麺量がラーメンより多くなっています。
そんななか、ひとつカロリーが飛び抜けていてビックリしたのは担々麺。芝麻醤とラー油による脂質がその原因です。気をつけよう。
上記のカロリーはラーメン全体のもので、スープを飲み干さなければ更にカロリーを減らすことができます。麺だけのカロリーは、およそ300~350kcalぐらいに抑えられます。私もよっぽどのことがないとスープは飲み干さないようにしています。
カロリーはもちろん、それ以上の理由があるからなのですが……。
■ラーメンはカロリーよりも「塩分量」が問題
実は、ラーメンを食べ過ぎることのいちばんのネックは「塩分」。
厚生労働省が発表している「日本人尾食事摂取基準」(2015年版)によれば、1日の食塩接種量の目標値は男性が8g未満、女性が7g未満となっています。
一般的にラーメン一杯に含まれる塩分はおよそ7g。一杯食べるだけで1日分の摂取量に達してしまいます。
ラーメン店としてはその点をどう考えられているのか、「せたが屋」店主・前島司さんにお話を伺いました。
――日本人の減塩に対する意識についてどう思われますか?
前島店主:「ここ数年間に世界中で減塩政策が進められており、特にアメリカのニューヨークのレストランでは、塩を使って料理をすると店主に罰金千ドルが科せられるという法案が提出されるというニュースが流れるほどです。
日本の企業なども減塩商品の開発には力を入れており、減塩に対する人々の意識は今後ますます高まると考えられます」
――ラーメンの塩分量が問題視されていますが、スープはやはり全部飲まない方がいいのでしょうか?
前島店主:「塩分の多い食べ物の筆頭として挙げられるのがラーメンです。“塩分を摂りすぎは危険だ”といって、手間暇かけてつくったスープを飲まないお客様が増えているのは、ラーメン店主としては複雑な心境です。
しかしラーメンが好きでも、このように身体に気を使うお客様が多いことも事実なのです。お客様が安心して大好きなラーメンをたくさん食べられるように願いを叶えてあげることも、ラーメンを提供する者としての使命であり、責任だと思います」
――塩分量を落としてラーメンをおいしくつくることは可能なのでしょうか?
前島店主:「塩分濃度を落としたラーメンはどうしてもインパクトに欠けたり、物足りなさを感じたりするのも事実です。今後は塩分量を落としていかにおいしいラーメンをつくれるかといったことも、ラーメン屋の腕の見せ所になるのではないかと思いますし、ひとつのトレンドになるのではないかと考えられます。
私自身も、通常のメニューに加えて、減塩ラーメンメニューの開発も現在手がけており、ニューヨークのお店で減塩醤油を使ったベジタリアンラーメンを6月より発売の予定です」
現状では、やはりラーメンのスープは飲み干さない方がいいと考えられます。が、今後、ラーメン店それぞれの工夫で“塩分量を減らしたおいしいラーメン”が出てくる可能性も。
大きく期待しながら、おいしくラーメンを食べられる工夫をしていきましょう。
(文/ラーメンミュージシャン・井手隊長)