本には感情をとかす力がある!震災から1ヶ月の心のケアに物語を (1/3ページ)
最大震度7を2回観測した熊本地震から、1ヶ月あまりが経ちました。
怪我を負ったり、大切なものを失ったり、いまだ避難所での生活を余儀なくされている方もおり、当地では余震が観測される状況も続いています。
そんななか、震災後1ヶ月というこの時期は、心のケアに改めて目が向けられはじめるタイミングでもあります。
5月16日の報道で、熊本市教育委員会が市立小中学校全137校の計6万1,039人を対象にアンケートを実施、カウンセリングが必要と思われる児童・生徒が2,143人(3.5%)に上ったとの発表が伝えられました。今後、各校を巡回する臨床心理士を増員するなどの対応が進められる予定です。
そして、子どもたちを笑顔にする“物語の力”が心のケアに果たす役割も、決して小さくはありません。
東日本大震災から丸5年のことし2016年3月11日に刊行された『生きてごらん、大丈夫 子どもと本と、出会いをつむぐ』(佐々波幸子著、かもがわ出版)には、東日本大震災後のできごとを追った文章が取り上げられています。
降りかかる大きな試練に“物語の力”が果たす役割とはなにか。本書から読みとります。
■震災のストレスを絵本が癒やした
本書は、朝日新聞の記者である著者・佐々波さんが書き、2008年以降に同紙に掲載された“子どもと本”にまつわる記事をまとめたもの。
詩人のまど・みちおさんや児童書作家の岡田淳さん、上橋菜穂子さんといった児童文学の担い手へのインタビュー、ブックスタート活動や読み聞かせの現場を取材した記事などに加えて、東日本大震災以降に同紙に掲載された、被災地での活動を伝えた記事も採録されています。
被災地に絵本を届ける「3.11絵本プロジェクトいわて」の記事は、その一環で2011年4月27日に紙面に掲載されたもの。震災からひと月あまりが経った4月16日、プロジェクトのメンバーが岩手県大船渡市内の保育所を訪れたときの様子が記されています。
当時、道の両脇には打ち上げられた漁船やがれきの山。