女性アイドルが刺されて重体…ストーカーが明かす”個人情報特定の仰天手口”

デイリーニュースオンライン

Photo by Luke,Ma
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 悲劇がまた、繰り返された。5月21日午後5時すぎ、東京・小金井市で20歳の女性が男に刃物で刺され、意識不明の重体になる事件が起きたのだ。被害者の女性はアイドル活動をしていた大学生の冨田真由さん(20)。凶行に及んだのは冨田さんのファンとみられる男だった。

「現場となったのは、冨田さんが出演するライブが行われる予定だったイベントの会場。冨田さんは会場にやってきた男に襲われ、首や胸など全身20か所をめった刺しにされた」(全国紙社会部記者)

 警視庁が傷害の疑いで逮捕したのは、住所不定、職業不詳の岩埼友宏容疑者(27)。調べに対し岩埼容疑者は「自分が刺したことに間違いない」と供述し、容疑を認めているという。

■「逆恨みと顕示欲だけのどうしようもない情動」

 悲劇の予兆はあった。関係者によると、冨田さんは「最近男につきまとわれている」と周囲に相談していたという。

「冨田さんは4年ほど前からアイドル活動をスタートさせ、一時は芸能事務所にも所属していた。22011年にヒーロー物のテレビドラマにちょい役で出演しているが、それ以外にメジャーでの活動はほとんどない。地道なライブ活動を繰り返す、いわゆる〝地下アイドル〟だった」(芸能プロダクション関係者)

 冨田さんはツイッターやブログを通して自身の活動をPRしていたが、そこに今回の事件につながる痕跡が残されていた。冨田さんのツイッターのフォロワーのうちの1人が奇妙な書き込みを繰り返していたのだ。

「4月30日に《冨田真由に「全部返せ」と伝えてください。「全部返せ」それだけです》と書き込み、翌5月1日にも冨田さんの名前を挙げて意味不明のツイートをしている。警察は内容などから、岩埼容疑者の犯行との関連を捜査している」(先の記者)

同じアカウントの人物は、2月3日には《投げやりになって 何かをしでかしたいと思った どうせ、のたれ死ぬだけのくそったれの人生 結果なんてどうでも良くて ただ、逆恨みと顕示欲だけのどうしようもない情動》とツイート。翌2月4日には《死にたいんじゃなくて、殺されたい》と不穏な書き込みを繰り返している。直近の5月8日には、《劇的を望む》と凶行を連想させるようなつぶやきも行っている。

 ただ、ファンがアイドルを襲うという事例は今回に限らない。

 2014年5月には岩手県で行われたAKB48の握手会イベントで、メンバー2人がファンの男にのこぎりで襲撃されている。 AKB48といえば「会えるアイドル」をコンセプトに、握手会などの交流イベントを通じて人気を拡大してきたグループである。今回の冨田さんもそうだが、相次ぐ襲撃は、ファンとアイドルの距離が近くなったがゆえに起きたものだともいえる。

「『ストーカー』を自称する何者かが、ツイッターで、ストーカーする際の手口の一端を明かして話題となった。子供の写真をアップしている家庭なら、本名から電話番号、住所、さらに子供の通学先や経路、けいこ先まで容易に特定できる術があるのだという。現代は、フェイスブックなどのSNSを通じて個人情報が漏れやすい状況になっている。襲われた冨田さんも情報発信にSNSを活用しており、このことが事件に巻き込まれる遠因になったともいえる」(捜査関係者)

SNSでプライベート情報を流しているのはわれわれも同じ。いつどこで誰に見られているのかわからないーーインターネット社会に潜むリスクを再認識する必要がありそうだ。

文・海保真一(かいほ・しんいち)
※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。
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