「報復」と「餓死」の恐怖におびえる北朝鮮の警官たち (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

「報復」と「餓死」の恐怖におびえる北朝鮮の警官たち

北朝鮮の秘密警察「国家安全保衛部」と警察「人民保安部」は、住民に対して強権をふるう二大治安機関だ。しかし、なぜか保安員(警察官)の家庭での立場が、弱くなっているという。

警察官一家惨殺事件

保安員は、公務員だけに国家からもらえる給料がたよりだ。しかし、北朝鮮の平均月収は1500ウォン(18.75円)に過ぎず、コメ1キロ(4500ウォン)すら買えない。その給料さえも遅配は日常茶飯事だ。そこで、給料以外の貴重な収入源となるのが住民から巻き上げるワイロとなる。

治安機関員の保安員でさえも、ワイロなしでは、生活が成り立たない。一方、庶民たちも、彼らの苦しい懐事情は重々承知しており「ワイロを要求するの仕事のうち」ぐらいにとらえながら、少々のことは目をつぶる。

ただし、権力をかさにきてワイロを要求していることには違いない。あまりにも行き過ぎると庶民から思わぬ「報復」を受ける。ここ数年、執拗にワイロを要求してきた保安員らが、待ち伏せされて殴打される事件が多発。せい惨な事件も発生している。

また、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、すべての保安員がワイロにありつけているわけではないという。咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋は、「保安員は本来、国から充分な配給をもらえることになっている。国の規定では、コメ7割に雑穀3割を混ぜた配給がもらえるはずだが、規定どおりにもらえた試しがない」と語る。

配給は、半年分を一度に受け取るが、コメではなくトウモロコシの粉だ。それも、運搬過程で横流しされ、手元に届く時には、3分の2に減少。さらに、半年分を受け取ったところで、長く保管できない。そこで、保安員は、違法とわかっていながら、もらった配給のほとんどを市場に横流しする。しかし、市内の他の保安員も同時に受け取り、同時に横流しするため、安値で買い叩かれる。そして、収入も食糧もない保安員の家族は、たちまち飢えに苦しむ羽目になる。

バツイチ警察官の末路

苦しい事情を抱える保安員が、生活のために庶民からワイロを巻き上げるのは、もはや北朝鮮の「社会構造」ともいえる。逆に言えば、ワイロにありつけない保安員の生活は苦しくならざるをえない。

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