【永田町炎上】民進党の”黒い政調会長”山尾志桜里を解任せよ

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Photo by Photo AC(※写真はイメージです)
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【朝倉秀雄の永田町炎上】

 政界は陰謀と嫉妬が渦巻く業界だから、何かの拍子で世間の注目を集める立場になると、寄ってたかって叩かれる。山尾志桜里民進党政調会長などはその典型であろう。山尾は「保育園落ちた日本死ね」の匿名ブログに便乗して「待機児童問題」として国会で取り上げ、一躍、民進党の政調会長に担ぎ上げられたのはいいが、案の定、「政治とカネ」の問題が噴き出した。

■ガソリン代は地球10周分

 第一の疑惑は山尾という政治家個人から自分の資金管理団体「桜友会」への寄付の「総枠制限」違反だ。政治資金規正法は政治家個人が一年間にできる寄付の「総枠制限」を設け(政治家にはついて一般の個人のような「個別制限」はない)、政党・政治資金団体に対しては「2000万円まで」、資金管理団体・その他の政治団体に対しては「1000万円まで」としている。にもかかわらず、山尾の資金管理団体「桜友会」の平成24年の政治資金収支報告には山尾個人からの寄付金として1144万円の記載がある。事実なら1000万を超えるから明らかに規正法違反だ。山尾も法曹の端くれだから、さすがに「ヤバイ!」と思ったのであろう。衆議院予算委員会で質問に立った翌日の1月14日には1144万円を分解し、「山尾からの寄付金920万円、借入金224万円」に訂正している。世間を欺くために寄付金を「1000万円」以内に収めようとしたのであろうが、まったく信用できないし、過去の違法行為が消えてなくなるわけではない。

 第二の疑惑はガソリン代の過剰計上だ。山尾は平成24年に自分が支部長を務める「民主党愛知県第7区総支部」からガソリン代として230万円を支出したことにしているが、当時のハイオクガソリン価格は1リットル当たり約160円だから燃費を1リットル当たり15キロとすると約21万キロで地球5周分に相当する。一日当たりの走行距離は1万÷365で、575キロにもなる。当時、山尾事務所には3名の秘書がいたというのだから、3台をフル稼働させていたとすると、575÷3で秘書一人当たり一日に192キロも走った計算になるが、筆者の経験からは、そんなことはありえない。山尾は4月6日に記者会見を開き、24年の収支報告書上で230万円だったガソリン代が実は430万円だったことを明らかにしたが、そうなると、地球を約10周したことになり、なおさらありえない数字で、架空計上─虚偽記載の可能性が高い。

 ガソリン代のプリペイドカードを大量に購入したというのも、いかにも不自然だ。そこから、あるいは公職選挙法の寄付の禁止違反をしてプリカを選挙区内の有権者に配ったのではないかとの疑惑が生まれるが、山尾は政治家の常套手段として「或る秘書の在職期間と一致している」などと言い訳をし、すべてが辞めた秘書のせいにしてしまっているが、女性議員というのは、カネの使い方にはさながら猟犬のごとく目を光らせているはずなのだから、秘書にそんな勝手な振る舞いができたとは筆者にはとうてい思えない。

■政治団体から選挙区内の有権者に「花代」と「香典」

 第三の疑惑は愛知県瀬戸市の民家を借り受け、「さくら館」と名づけ、「さくら塾」などと称し、歯科医や書家などを講師に呼び、地元民を集め、飲食を提供し、ときには1人5000円もの会費で「養命酒」の工場にバス旅行に出かけることもあり、しかも「さくら館」には「民主党愛知県第7区総支部長・山尾しおり」と書かれた看板が掛けられ、塾活動や旅行を案内する際の電話番号は「第7区総支部」と同じだというのだから、まさしく地盤培養行為─政治活動の拠点であることは間違いない。当然ながら事務所や家賃や活動賞を政党支部か資金管理団体の政治資金収支報告書に記載し、報告する義務があるはずだ。だが、山尾の選挙区支部にも資金管理団体の「桜友会」には一切記載がない。これは政治資金規正法上の「不記載」に該当する可能性が高い。

 最も違法性が高いと思われるのは、平成25年と26年に山尾の政治団体から選挙区内の有権者6人に「花代」と「香典」として6件、計4万4875円を支出していることだろう。公職選挙法はいかなる名目を問わず政治家本人や後援会が選挙区内の有権者に寄附することを刑罰をもって禁じている。6件は山尾が代表を務める「桜友会」の支出として計上されている。

 山尾は記者会見で「政党支部が支出すべきところを後援会が支出したと誤って記載した。政党支部と『桜友会』の報告書を5月9日付で訂正した。民進党が統一見解で禁止していない政党支部から出されたもので問題はない」などと愚にもつかない言い訳をしているが、「桜友会」は山尾の資金管理団体であって、「後援会」ではない。だから「『後援会』が支出したと誤って記載した」という理屈は成り立たない。さらに「政党支部からの寄附は禁止されていない」などと嘯いているが、法が寄附の禁止の例外としているのは「政党その他の政治団体に対する場合」であって、「政党やその支部がする場合」ではない。山尾は主体と客体とを完全に取り違えている。

 その際、最終的に費用をどこが負担したかは問題ではない。違法かどうかは「寄附者」としてどう表示したかによる。筆者の経験からは「花代」にせよ「香典」にせよ「新築祝い」にせよ「衆議院議員・○○○○」と表示するのが普通であり、「○○党×支部」などと書く者は滅多にいない。しかし山尾が「花」や「香典」に「衆議院議員・山尾志桜里」と表示をしていれば、それは取りも直さず山尾自身の寄附ということになり、公職選挙法違反の疑いが濃厚になってくる。民進党は安倍内閣の不信任決議案を提出する予定のようだがそんなバカげたことを考える暇があったら、山尾のような疑惑だらけのオバサンは即刻、政策調査会長の要職を解任すべきだろう。

文・朝倉秀雄(あさくらひでお)
※ノンフィクション作家。元国会議員秘書。中央大学法学部卒業後、中央大学白門会司法会計研究所室員を経て国会議員政策秘書。衆参8名の国会議員を補佐し、資金管理団体の会計責任者として政治献金の管理にも携わる。現職を退いた現在も永田町との太いパイプを活かして、取材・執筆活動を行っている。著書に『国会議員とカネ』(宝島社)、『国会議員裏物語』『戦後総理の査定ファイル』『日本はアメリカとどう関わってきたか?』(以上、彩図社)など。最新刊『平成闇の権力 政財界事件簿』(イースト・プレス)が好評発売中。
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