年収1000万円の女性が財産を築くために守っているお金の法則
『年収1000万円以上のNYキャリアが教える 仕事も恋愛もキレイもすべてを手に入れる女性のワークルールズ50』(バーバラ・スタニー著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、2003年に『ミリオネーゼになりませんか?』というタイトルで出版された翻訳書の新装版。
原題は『SECRETS OF SIX-FIGURE WOMEN』ですが、“SIX-FIGURE”とは「6桁」のこと。日本円でいえば年収1,000万円以上というわけで、「ミリオネーゼ」とは、そこから着想した造語なのだそうです。
ミリオネーゼの定義は、「仕事も恋(家庭)もおしゃれに楽しみ、1,000万円稼ぐ女性」というもの。また、「すべてをあきらめなくていい。わたしたちは、すべてを手に入れることができる」というメッセージも込められているのだといいます。
ちなみに年収1,000万円である必要はないものの、収入に対するこだわりこそが女性たちにもっとも欠けていることだと著者。そこで、その数字を女性たちの経済的自立、精神的自立の象徴としたのだそうです。
ところで、本書が初めて出版されたときには「一部のキャリアウーマンにとっての課題」だった事柄が、13年を経たいま、「ほとんどすべてのワーキングウーマンたちの課題となってきている」といいます。
そこで改めて、「自分に自信を持つこと」「八方美人になろうとせず堂々と意見を述べること」「チャンスがきたら『とりあえずやる』と考えること」「自分の能力と業績に応じた正当な権利を主張すること」などの心得を訴えかけるために本書が復刊されたというわけです。
きょうはそのなかから、お金に関するルールをいくつか引き出してみます。
■お金に関する3つの法則を守る
経済的自立は、頭で考えるよりもはるかに簡単だと著者はいいます。
お金を賢く増やすのに、時間はそんなにいらない。お金がたくさんなければ財産をつくれないわけでもない。それどころか、現在の収入額がいくらであろうと、数千万を貯めることは可能だというのです。
若いうちからはじめるに越したことはないけれど、歳をとっても遅過ぎることはない。もっとも危険なのは、年齢にかかわらず「なにもしない」こと。
そして財産を築くためには、お金に関する3つの法則を守る必要があるのだとか。
[法則1]支出を収入より少なくする
[法則2]なによりもまず貯蓄する
[法則3]お金を運用して増やす
大切なのは、「なにを持っているか」ではなく、「持っているものでなにをするか」。それこそが、経済的安定を手にできるかどうかの決め手だということ。
(1)支出を収入より少なくする
ミリオネーゼたちはたいてい、自由気ままにお金を使わないように自制しているのだそうです。ケチっているわけではなく、“贅沢”と“倹約”とを上手に使い分けているということ。
いってみれば富の大きさは「どれだけ稼いだか」ではなく、「どれだけ使わないか」で決まるというわけです。
(2)なによりもまず貯蓄する
“お金を貯めるのが上手な人”は、収入の一部を定期的に貯蓄にまわすもの。ただし忘れるべきでないのは、貯蓄はいざというときに備えるもので、バーゲンセールのためにしているのではないということ。
銀行に預けたお金は、借金や大きな損失に対する緩衝材になるだけではなく、予期せぬ出来事が起こったとき、あるいは夢を実現させるときのための賢明な備えになるということです。
(3)お金を運用して増やす
難しそうに感じはするものの、実はお金の運用はそんなに面倒なことではないもの。一般的な原則は次のとおりだといいます。
1.臨時の出費や近い将来に買いたいものを買うためのお金など、今後5~7年以内に必要なお金は、現金か、MMF(マネー・マネジメントファンド)、CD(譲渡可能定期預金)などにしておく。
2.今後8~10年以内に必要なお金は、株式や債券、現金に分散しておく。
3.11年以上使う予定のないお金は、大半を株式に投資しておく。
■いい投資家になれる4つの秘訣
そして、お金の運用にもっとも有効なのは投資。そこで、誰でも腕のいい投資家になれる4つの秘訣も紹介されています。
(1)自動化する
一定の金額を、銀行口座や給料から自動引き落としで証券会社の口座に入れる契約をするということ。自分で銘柄を考えながら投資すると、意図に反する結果になることがあるためです。
(2)プロに任せる
専門家は投資のやり方を詳細に検討し、ポートフォリオのバランスを考え、定年後の生活に必要な資金計画を立てるようにサポートしてくれるというのです。
(3)勉強する
投資銘柄をむやみに怖がったり、無知なまま、あるいは習慣的に投資したりするのではなく、知識の裏づけを持って参加することが大事だという考え方。
(4)人の話を聞く
金融についてなんらかの知識がある人に会ったら、その知恵を借りるために質問をする習慣をつけるということ。
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当たり前に思えることばかりですが、つまりは「当たり前のことをきちんとやる」ことが、なにより大切なのかもしれません。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※バーバラ・スタニー(2016)『年収1000万円以上のNYキャリアが教える 仕事も恋愛もキレイもすべてを手に入れる女性のワークルールズ50』ディスカヴァー・トゥエンティワン