秋津壽男“どっち?”の健康学「“モノが覚えられない”は認知症と関連なし。不要な情報は「断捨離」でリフレッシュせよ」 (2/2ページ)
つまり、その時々に応じて「頭の中で優先順位をつければいい」わけで、モノ覚えが悪くとも、普通に社会生活ができれば何ら心配はありません。
「モノ覚え」の悪さは、加齢のせいではなく、情報化社会に対する脳の戦略の一環と捉えることもできます。これからの時代はモノだけでなく情報も「断捨離」が必要な時代と言えるかもしれません。
逆にモノ忘れが増えていくのは、定着していた記憶が壊れていくことです。隠れ脳梗塞などで脳内メモリーが破壊され始めている可能性があり、進行すれば認知症などの危険性も生じます。
設問の答えとしては、モノ忘れが、病気のおそれがあるので注意が必要です。症状が気になるようでしたら、一度、専門医に相談したほうがいいでしょう。
では、最後に質問します。
「昨年の流行語大賞は何でしたか?」──こう聞かれて思い出せずとも、まったく心配ありません。なぜなら、このクエスチョンは「モノ覚え」を確認するための質問であり、「モノ忘れ」を問う質問ではないからです。
モノ覚えとモノ忘れ、両者の境界線は「生活するうえでの必要性」と考えてください。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。