相次ぐ「美女逃亡」が金正恩氏を追い詰める (1/2ページ)
中国にある北朝鮮レストランから新たに女性従業員3人が逃げ出し、去る2日に韓国入りした。北朝鮮側はこれについて、4月の集団脱北と同様に「韓国当局による拉致である」として、送還を強硬に主張している。一方、水面下では金正恩党委員長が、韓国人に対する「報復拉致」を指示したとの情報もある。
こうしてムキになればなるほど、彼女らの脱北から被る正恩氏のダメージの大きさが、うかがい知れるというものだ。
美女たちの素顔北朝鮮の政府機関や事業体の多くは、国家の財政難のために独立採算を余儀なくされており、貿易や海外での事業で外貨を稼ぎださなければならない。もちろん、朝鮮労働党などから「上納金」のノルマを課せられており、それを賄うためには違法な商売にも手を染める。
言うまでもなく、そのようは裏ビジネスは、海外の当局により摘発されるリスクが相当に高い。それに比べレストラン運営は完全に合法であり、外貨獲得の柱のひとつとなってきた。そして、そのビジネスを支えてきたのが、時にネット上でアイドル並みの人気を集めることもある美人ウェイトレス(接待員)たちなのだ。
しばらく前のことだが、中国・丹東にある北朝鮮レストランの営業実態について、デイリーNKジャパンの記者が現地の関係者から話を聞いてきたことがある。解説してくれたのは、中国資本と北朝鮮企業の橋渡しをしている中国朝鮮族の貿易業者である。
美女脱北が暴く体制のもろさ「北朝鮮レストランは、地元資本と北朝鮮側との合弁で運営されているのが普通ですね。地元資本側が店舗や食材の確保などを行い、北朝鮮側がスタッフを派遣している。つまりは相互に現物出資をして、店の権利が半々になるように設定されているんです。もちろん、利益も折半です。
北朝鮮側の事業主体は、国家が一元的にやっているというよりは、政府機関や様々な事業体(大規模な工場や貿易会社)が、それぞれ国の許可を得て別々にやっているみたいですよ。本国に、そうした活動を統括する役所があるのかもしれませんが、そこは私たちにはわかりません」
北朝鮮の政府機関や事業体の多くは国家の財政難から独立採算を余儀なくされているため、このようにして外貨取得を目的とする事業展開をすることは大いにあり得る話だ。