三菱自動車の不祥事…連日話題の「燃費改ざん問題」全容に迫る (2/3ページ)

イキなクルマで

ここで注意すべきは、走行風の抵抗を受けなくて済むということと、路面抵抗が低減された状態で計測できるということです。人間で言い表すなら、道路ではなくランニングマシン上で走るようなものです。

一般道路上に存在する路面の凹凸や勾配の変動などは、単体であればそれほど気になるものではありませんが、積み重ねれば大きな走行抵抗となります。当然ながら、走行抵抗が高ければ高いほど燃費には悪影響を与えます。

ですから、三菱に限らず各自動車メーカーは、燃費のカタログ数値をできるだけ高水準に保つために、燃費チェックの際にできる限りのお膳立てをしているということです。

その数値は、ユーザーが実際に運転して計測する実燃費とはかけ離れている場合も少なくありません。

もちろんそれは誰もが知るところでしょうが、今回の三菱は燃費性能の誇張をするあまり、計測データの改ざんにまで着手してしまったということです。

■激化し続ける燃費性能の追求とその負の側面

単純な燃費性能で言えば、トヨタの「プリウス」「アクア」などに敵う自動車はありませんし、自動車業界の研究・開発は日々激化していると言えます。

これらの対抗馬に対するプレッシャーが、三菱の経営陣・開発陣にのし掛かっていたという状況も要因の一つとされています。

また、天下の財閥企業・三菱グループであっても、近年の車両開発の資金は十分ではありませんでした。金額にして、トヨタ自動車の10分の1ほどと言われています。もちろん予算が全てではありませんが、それでも大きな指標であることは間違いありません。

劣悪な状況下で最大限の成果をあげるのは、ビジネスシーンでは重要なことです。しかし、自動車作りはそれほどシンプルなものではないはず。

燃費性能は試乗だけでは把握しきれないファクターであり、結果としてカタログ上の数値を鵜呑みにする他ありません。

つまり、メーカーからすれば偽装するには格好の部分であったということです。

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