金正恩氏の「核武装」を阻止するのに必要なこと (2/2ページ)
それどころか、「人道に対する罪」への追及がいつまでも続き、それが自らの独裁体制を打倒すべき大義名分に転じるのを恐れている。
そうなった場合、「核武装した虐殺者」と「核武装していない虐殺者」とではどちらが自分の身を守りやすいかと言えば、それは前者に決まっている。
だから、正恩氏は核武装をあきらめないし、彼が「対話」に乗り出すとしたら、軍事的圧力で何かを脅し取ろうとするときだろう。
ならば、我々はどうするべきか。想起して欲しいのは、抑圧されている北朝鮮の国民の利益と、地域の安定を望む周辺各国の人々の利益は、大きなところで一致しているということだ。民主主義が存在しないことが、金正恩体制が暴走する根本的原因なのである。
もちろん、北朝鮮の民主化には膨大なコストと時間がかかるだろうが、核武装が進むのを黙ってみているよりはマシだ。「急がば回れ」の一言に尽きる。
今後、国際社会が北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止するために圧力をかけるというのなら、その延長線上には北朝鮮の民主化をハッキリと見据えるべきだ。そうしなければ、どんな努力も無駄になってしまう。