英語学習に時間をかけたくない30代にピッタリ!超手抜き勉強法
『ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。 成毛式「割り切り&手抜き」勉強法』(成毛眞著、KADOKAWA)の著者は、株式会社アスキーなどを経て、日本マイクロソフト株式会社設立に参画したという人物。
そう書くといかにも華やかに思えますが、現実的にそれは、「30歳を前にして、英語がなんとしてでもできるようにならなければいけない状況に追い込まれた」ことを意味していたようです。マイクロソフトという外資系企業に勤める以上は、必要不可欠な条件だったということ。
しかも「コツコツやるのが嫌い」な性格なので、徹底的に手を抜きたかったのだとか。そこで生み出されたのが、本書で紹介されているメソッド。
ちなみに本書は、
・仕方がなく英語を身につけなくてはならなくなった。
・でも、英語学習に時間をかけたくない。
・とはいえ、外国人はもとより、日本人の前でも臆せずに英語を話せるようになりたい。
という考えを持っている人に最適なのだそうです。結果的に著者自身が、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツとやりあったり、ジョークをいい合ったりする程度の英語は身につけることができたというのですから、そこには妙な説得力があるといわざるを得ません。
■手抜き勉強法の核になる5つのポイント
そんな著者が編み出した「成毛式『割り切り&手抜き』勉強法」の核になっているのは、次の5つ。
(1)発音の基礎
(2)「物まね」という筋トレ
(3)英語以外の知識
(4)道具の活用
(5)優先順位を明確にした暗記
これらについて考える際に重要な意味を持つのは、著者の目的です。本人の言葉を借りるなら、目指していたのは「ビル・ゲイツの英語っぽい英語」。そのため、発音はいやでも鍛えなくてはならなかったわけです。
そこで思いついたのが、体力づくりのような(1)「発音」と、応用編にあたる(2)「物まね」との併用。
どちらかひとつでは飽きてしまう可能性がありますが、(1)と(2)を行ったり来たりすることで、「今度はこっちで試してみよう」という心がけも生まれたのだといいます。
■ネットスラング「kwsk」に説得力が
なお発音に関してのトピックは、著者が母音よりも子音の重要性を強調している点にあるでしょう。中高生時代には誰しも母音について細かく教わったことがあると思いますが、むしろ大切なのは子音だというのです。
この点について強い説得力を感じさせるのは、ネットスラングの「kwsk」を引き合いに出している点。
いうまでもなく「kuwashiku=詳しく」の略ですが、もしもこれが子音ではなく母音を取り出して「uaiu」だったとしたら、なんのことだかさっぱりわからないはず。ここからもわかるように、子音さえしっかりしていれば、相手に汲み取ってもらうことができるというわけです。
■英語の日常会話ほど難しいものはない!
(3)「英語以外の知識」の必要性は、著者に英語が求められるようになった時期が、ちょうど転職した直後だったため気づくことができたのだそうです。いいかえれば、英語だけが使えるようにあっても仕事はできないということ。
そこで気をつけるべきは日常会話。「せめて日常会話ぐらいはできるようになりたい」という人は少なくありませんが、日常会話ほど難しいものはないというのです。しかしターゲットをビジネスに絞ると、知らなくてはいけない英語の範囲はぐっと縮まるという考え方です。
■英語の練習ツールは本からSiriまで
(4)「道具」については、英語を練習するために便利なツールとして著者は本を勧めています。
ただし、いわゆるテキストではなく、英語をテーマにした読みもののこと。それらは英語学習に直結するものではないものの、英語を練習し続けることへのモチベーションを保ってくれるというのです。
また、テレビの副音声、「NHK WORLD RADIO JAPAN News」のポッドキャスト、グーグル音声入力なども有効だとか。iPhoneユーザーには、秘書機能アプリSiriを英語に設定することもいいとか。
■決まり文句は「割り切って丸暗記する」
(5)「暗記」はいわずもがな。決まり文句は、割り切って丸暗記するに限るというのです。
しかも重要なのは名詞。特にその業界の専門用語は、英語でいえないとお手上げ。だからこそ最初は名詞だけを暗記し、動詞は後回しにするということです。
なお上記のNHKのニュースやポッドキャストを聴く際にも、「これは経済のニュースだな」「あの事故の話だな」というような判断材料になるのは「聞き取れる名詞」、特に固有名詞が大半。つまり名詞は、聞き取りのキーになるわけです。
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こうした基本を軸としながら、他にもオリジナリティ豊かなアイデア満載。本書を活用すれば、これまでとはちょっと違った手段で英語力を身につけられそうです。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※成毛眞(2016)『ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。 成毛式「割り切り&手抜き」勉強法』KADOKAWA