金正恩氏に「忠誠」を誓う在日組織の本当の問題点 (2/2ページ)
ちなみに、朝鮮学校や朝鮮大学校の内実についてはライター・安宿緑氏の著書『北の三叉路』(双葉社)に非常にリアルに描かれていて面白いので、興味のある読者はぜひ読んでみてほしい。
前述したように、私も朝鮮総連には大いに問題があると思っている。北朝鮮の工作機関・225局などから指示を受け、韓国での地下組織づくりや、日本の政界人脈構築に関わっているメンバーらもいるようだが、日本は言論の自由と結社の自由が保障された国だ。それさえも逸脱するような動きがあれば、取り締まりを受けるのは仕方なかろう。
(参考記事:韓国でつかまった北朝鮮スパイが「東京多摩地区」で会っていた人物とは!?)
だが、より大きな問題は、人権に対する姿勢だ。
たとえば日本人拉致問題だ。朝鮮総連はどうして、朝鮮学校などで拉致被害者に寄り添った人権教育をしたり、痛みを分かち合ったりする活動ができないのか。在日朝鮮人は、20世紀において朝鮮半島が日本帝国主義に蹂躙される過程で発生した。ならば、北朝鮮の国家によりいわれもなく生活を蹂躙された拉致被害者、そしてその家族の痛みを知ることで、得るものはあれど失うものなどないはずだ。
問題が起きるとすれば、朝鮮総連の上層部が、金正恩氏から「お叱り」を受ける程度のことだろう。それが怖くて杓子定規に振る舞う朝鮮総連に対しては、金正日総書記ですらいら立ちを募らせ、「偽装転向」を指示していたとも言われる。
仮に朝鮮総連が、本気で金正恩体制の役に立ちたいのだとしても、日本社会と「常識」を共有することなしには何もできまい。それができないようなら、朝鮮総連は毒にも薬にもならぬ存在として衰退していくだけだ。