人と人が集い、語る「応接の文化」で新しい煎茶道を発信する 島村満穂さん《前編》
今週のB!Storyは一般財団法人煎茶道三癸亭賣茶流(さんきていばいさりゅう) 3代目家元生まれの島村満穂さん。幼い頃から煎茶道に親しみ、現在は三癸亭賣茶流 広報として東京と広島を拠点に活動中。煎茶を世界に広めるべく、オリジナル茶器ブランド「MY CHAKI」のプロデュース業から煎茶のケータリング事業「Catering Sencha」まで自らが起こした事業で活躍をされているとのこと。バイタリティに溢れる島村さんのSTORYをお聞きしました♪
煎茶道の家元生まれとのことでしたが、やはり小さいころからお茶を嗜んでいたのでしょうか 満穂 そうですね。母方の祖母から煎茶道を教わりました。家族や身内にはとても厳しく、作法がなかなか頭に入らなくて困っていた記憶があります。お茶室で正座をして煎茶を頂く時も正座が辛くて(笑)。5歳から参加をしていたのですが、お茶の味がわかるわけでもなく、楽しいというよりはお茶会は厳しい世界なんだ!という印象が子供の頃は強かったですね。挨拶から座り方、鑑賞の仕方、とても繊細な世界だから知れば知るほど極めることの難しさを幼いながらに実感していました。 幼い頃から厳しいお茶の世界を見てきたとのことですが、将来もやはりお茶の世界を考えていたのでしょうか。 満穂 そんなことはありませんよ。実は小学校の頃から少しずつですがお茶の世界から離れたことがあるんです。中・高は福岡で寮生活、大学はどうしても東京に行きたくて都内の大学へ進学しました。この時は家庭教師のバイトや歯科助手、選挙のオペレーター、リサーチ調査ととにかく多種多様な職種に挑戦しました。今振り返ると昔から人に何かを伝えることが好きだから現在のような仕事をしているんだなと改めて思います(笑)。大学生になると就職についても色々と考え始めますが、私の場合は化粧品業界へ行きたいと思い、大手化粧品会社へ就職しました。営業職として販売員の指導を行い一人ひとりのスキル向上に務めて・・・。ルーティーンワークよりも自分から行動を起こしていく営業が向いているみたいです。 現在はご実家でもある三癸亭賣茶流の広報として活躍されていますが、どのようなきっかけでお茶の世界にまた戻ってきたのでしょうか。 満穂 父の秘書が退職したことをきっかけに広島に戻ってきてくれないかと呼び掛けがありまして。そこで一度実家に戻り、父と話し合った結果、煎茶道の広報として活動することが決まりました。今は父・島村充が家元、弟が若宗匠として三癸亭賣茶流の中心となり活動しています。「煎茶道」という言葉自体を目にすることはあると思いますが、実際に何をしているのかをきちんと知っているという人は決して多くはありません。だからこそ様々な形で煎茶道を認知していければと思い、広報として頑張ろうと決意しました。 一度は離れてしまったお茶の世界。戻られてからが大変そうですね。 満穂 ちょうどお茶の世界に戻ってきたのが3年ほど前。常に勉強の日々でしたが、幼い頃に学んだことだからどこかで頭が覚えていましたね。懐かしいなと思いながら勉強していました。広報としての最初の活動は子供向けの煎茶イベント。 時期が夏休みだったことに加えて場所がなんと国際フォーラム!最初のイベントがそこからでしたので本当に大変でした。でも企画アイディアを出してそれを形にしていくことは楽しくて好きなんです。子供の時に体験したことというのは大人になっても覚えています。だからこそ、子供たちの記憶に残るイベントを開催したいなと思って・・・。この時の経験は今、私が行っている事業にも活かされています。 「煎茶道」とはどのようなものなのでしょうか。 満穂 煎茶道は応接の文化といわれています。人が集まり、お茶を飲みながら交流を楽しむというコミュニケーションの一つ。江戸時代では文人や詩人、知識人たちの間で広まった文化として知られています。茶道のように形式にとらわれることなく、自由にお茶を嗜むことがよしとされており、古来中国より伝わってきた煎茶は流派によって茶葉の選び方や淹れ方がそれぞれ異なります。三癸亭賣茶流は中国で一番古いお茶室の名前である「三癸亭」と煎茶の祖といわれる「賣茶翁」がその名の由来。最小限の動きを「美」としています。人と人が集い、喜び、語る場所を芸術の力で整えていくことが三癸亭賣茶流の目指す先。厳しい部分も確かにありますが、古くから伝わる大衆文化を1人でも多くの人に知ってもらいたいなと思っています。幼い頃から煎茶道を嗜み、回り回って今の地位を築き上げてきた島村満穂さん。
美味しいお茶を淹れるだけでなく、人と人とのコミュニケーションを充実させる応接文化を現代に伝える先導者として活躍する姿勢が印象的でした。次週後編では現在取り組んでいることやこれから先の展望について語って頂きました。こちらもどうぞお楽しみに♪
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