5つ子授かった“妊活ママ”全員失う結果に…。「減数手術」の医療ミスと倫理的課題とは (2/3ページ)

It Mama

母体保護法には“減数手術”について特別な規定はありませんから、減数手術が許される「人工妊娠中絶に当たるといえるか?」が問題になります。

日本産婦人科医会は、減数手術については優生保護法(「現:母体保護法」。以下同じ。)上の“人工妊娠中絶手術”に該当せず、『堕胎罪』の適用を受ける可能性があるとの見解を公表しています。

また、厚生労働省が平成15年に取りまとめた『精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療制度の整備に関する報告書』の中でも、減数手術は母体内において胎児を死滅させるものであり、分娩と同時に母体外に排出されるといっても、それは人工的に排出されるとはいえない。

また、優生保護法制定時に減数手術のような手術が想定されていないことを考えると、「母体保護法の“人工妊娠中絶の定義規定”に該当する術式ではない」という指摘は適当である旨を述べています(同報告書・別紙3)。

もっとも、報告書では「多胎妊娠の予防措置を講じたのにも関わらず、やむを得ず多胎(四胎以上、やむを得ない場合にあっては三胎以上)となった場合には、母子の生命健康の保護の観点から、実施されるものについては、認められ得るものと考える」(同報告書・別紙3)とも述べられていますから、三胎以上の多胎の事実があり、“母子の生命健康の保護”のために行われる減数手術は、違法でないということができるでしょう。

今回訴訟となったケースでも、五つ子を妊娠していたということですから、詳細は不明ですが、「減数手術自体が違法ではないことは前提となっている」と考えられます。

■訴えられた「医師の責任」は?

減数手術の際、一卵性の双子の一方を減らすと、もう一方も亡くす危険があるようです。

今回の訴訟では、術前に双子が含まれるかの確認が重要であったにもかかわらず、手術の実施に当たり、医師が一卵性の双子が含まれていることを見落としていたことのほか、手術自体にもミスがあったと主張されています。

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