フジロック問題:ロマン優光連載60 (1/2ページ)

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フジロック問題:ロマン優光連載60

ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第60回 フジロック問題

 フジロックにSEALDs奥田愛基氏や津田大介氏が出るのを受けて、「音楽に政治を持ち込むな!」派と「音楽はそもそも反体制!」派が熱い主張を繰り広げてましたが、なんというかどっちもバカみたいですよね。そもそもは単に奥田氏や津田氏が気にくわないから出てほしくないというだけの話なのに主語を「音楽」というデカいものにするのもバカみたいだし、「音楽」というデカい主語で「音楽は反体制であれ」という自分の趣味嗜好の話を絶対のもののように語るのもバカみたいという話です。話を広げるにしても主語はたかだか「ポピュラー・ミュージック」ぐらいなもんではないかと思います。
 ポピュラー・ミュージックの中でもミュージシャン自身の自作自演が前提とされるものに関していえば、作り手が自分の思ったことを作品に投影させるわけで、政治的な主張があるものもあれば、ないものも当然あるし、作風によって直接的な表現もあれば、隠喩的なものもある。音楽では表現しないけれどミュージシャン自身は特定の思想の支持者として活動してる場合もある。政治的主張といっても左派もいれば右派もいる。反体制、反体制といいますが、スクリュー・ドライバーのようなレイシスト・スキンズもネオナチ信奉の一部のブラックメタルも現行の体制に対抗した主張をしているわけだから反体制といえば反体制なわけで、反体制=左派とかリベラルってわけではないですしね。結局、音楽をやってるのが人間である以上、演者の思想が音楽に投影されるのはいたしかたないところであり、受け手は自分自身の心情にしたがって「曲が良くても気にくわない主張の音楽は聞かない」か「曲が良ければ主張は気にしない」で音楽を聴いていけばいいだけの話なんですよ。何でも自分の思う通りのものが与えられると思ってたら大間違いという話です。

フジロックなんて反体制のかけらもないただの商業イベント

 だいたい、奥田氏フジロック出演に関して「音楽に政治を持ち込むな」というなら、同じ人が「日章旗を音楽に持ち込むな」と椎名林檎を批判してなければおかしいわけですよ。

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