「土地の分割相続」ーー土地評価を下げる事が最大の相続税対策!(松嶋洋)

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「土地の分割相続」ーー土地評価を下げる事が最大の相続税対策!(松嶋洋)

相続時に往々にしてもめる遺産分割ですが、この遺産分割で土地をうまく相続人間で分割し、異なる相続人ごとに分筆できれば、土地の評価を下げることができる場合があります。

■【税理士の解説】相続税節税方法「土地の分割相続」とは?(松嶋洋)

この典型例は、前回見た角地です。角地は、正面の路線価に、側面の路線価の一定割合を加算した金額が1㎡あたりの金額になりますが、例えば相続により取得した一つの角地を二つに分筆して、一つの土地は角地、もう一つの土地は一方の路線にのみ接するよう分筆すれば、評価額は下がります。

その他、相続した一筆の土地を相続人二人で分割する場合、旗竿地を作るように分割することで、間口のわりに奥行が長い土地を作ることができます。こうすると、前回見たうなぎの寝床のような土地の減額が認められます。

詳細について、こちらをご参照下さい。

■分筆が前提になるため

このような節税が可能になるのは、土地を相続人ごとに分筆できた場合、すなわち分筆により異なる相続人が土地の所有者となる場合です。このため、2人の相続人が一個の土地の持分を2分の1ずつ共有により相続した場合や、遺産分割がまとまらず未分割となった場合には、適用がありません。

このため、早いうちに税理士に相談して土地の相続方法を決めたり、未分割にならないよう遺言書を書いておいたりする必要があります。

■不合理分割に要注意

その他、土地を分筆して節税ができるとは言っても、理論上節税となるあらゆる分筆が国税に認められるわけではありません。

相続税のメリットだけを追求して、通常利用できないような宅地を二つ作る、といった分筆については、不合理分割とされるケースがあります。こうなると、その分筆を否認され、分筆がないものとした土地の評価で更正処分を受けることになります。

何をもって不合理分割となるか、なかなか難しいですが、具体例としては以下のようなものが挙げられています。

・無道路地となる場合
・著しく狭い宅地となる場合
・将来においても有効な土地利用が図れないと認められる場合など

宅地である以上、その土地の上には建物が建つはずですから、常識的に考えて建物を建てられない、と判断されるようなケースはこれに該当すると考えられます。

いずれにしても、分筆を工夫して土地の評価額を下げるのであれば、専門家とよく相談しておく必要があります。

●執筆:元国税調査官・税理士 松嶋洋 WEBサイト
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事。

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