金正恩「処刑部隊」トップに「旧日本軍の血統」説が浮上 (1/2ページ)
北朝鮮の金正恩党委員長の側近中の側近が「親日派」の子孫だという説が出てきた。
韓国の北朝鮮情報サイト「ニュー・フォーカス」は、北朝鮮の秘密警察「国家安全保衛部」のトップである金元弘(キム・ウォノン)氏の母方の祖父ホン・ジョンウ氏が、日本の植民地時代に憲兵分遣所の補助員として勤務していたと報じた。金元弘氏が親日派だったという記録は、内部の幹部文書に詳細に記録されているという。
日本軍OBが作った空軍金元弘氏が部長を務める国家安全保衛部は、ナチス・ドイツのゲシュタポのような治安機関であり、多くの幹部の粛正、そして処刑の実行部隊として権勢を振るっている。さらに、悪名高き政治犯収容所の管理も行っている。まさに、北朝鮮の人権侵害を象徴する機関のトップであり、今の北朝鮮で最も恐れられ、同時に最も恨みを買っている人物、それが金元弘氏だ。
金元弘氏は、日増しに強まる金正恩式恐怖政治の中心人物であり、正恩氏の側近中の側近だ。それだけに、北朝鮮では「変節者(裏切り者)」と称され、忌み嫌われる「親日派」の子孫だとすると、スキャンダルになりかねない。
ただし、ニューフォーカスが明らかにした「金元弘親日派説」は、確固たる証拠がないことから、否定する意見もある。また、金元弘氏が親日派の系譜を継いでいるとするなら、そもそも金正恩氏の側近になりえないという反論もある。
しかし、「金元弘親日派説」の真偽はともかく、北朝鮮体制の中枢に親日派と見られても致し方ない人物がいたのも事実である。
正恩氏の祖父も例えば、北朝鮮空軍の「生みの親」とも言える軍人が、名古屋航空兵学校を卒業した旧日本軍パイロットであったことはあまり知られていない。金日成氏は軍創設当時、陸軍と海軍の要職には抗日パルチザン派を登用したが、さすがに特殊な技量が求められる空軍においては、日本軍で高度な経験を積んだ人材を無視できなかったのだ。
また、金日成氏の実弟である金英柱(キム・ヨンジュ)氏は、関東軍の通訳をしていたと言われている。そうした経歴を持ちながらも、一時期は、金日成氏の後継者候補であり、金正日氏と最後まで後継者の座をめぐり争った。