秋津壽男“どっち?”の健康学「夏でも増えている空咳の正体は?1週間以上続くなら咳ぜんそくを疑え」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 築年数が古いほうがリスクも高く、古い木造住宅のほか、陽当たりの悪いマンションでも起きやすくなっています。

 カビが繁殖した場合、家の中にいると症状がひどくなります。

 会社や学校では何ともないのに帰宅すると咳が出る、1日家にいると咳がどんどんひどくなる、こんな場合は夏型過敏性肺炎を疑ってください。

 一般的には気管支拡張治療などの薬剤で治ることは治りますが、帰宅すると体調を崩すことから、抜本的な治療方法として「引っ越し」や「建て替え」を選択する患者さんも少なくありません。台所の床のフローリングが腐っていてカビの温床になっていたことから、床をリフォーム。2週間ほどウイークリーマンションに移り住んでいる間はまったく症状が出なかったというケースでは、リフォーム後にまったく咳が出なくなるといった例も報告されています。さらに言えば、咳が出たからといって、室内の湿度を調整する場合も注意が必要です。インフルエンザなど感染症の咳では加湿器が有効ですが、夏型過敏性肺炎は加湿器が逆効果となります。

「風邪は万病の元」と言われますが、これは間違いで、正しくは「万病の初期は風邪にそっくり」というのが実際の臨床現場の実感です。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「夏でも増えている空咳の正体は?1週間以上続くなら咳ぜんそくを疑え」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 6/30号“どっち?”の健康学夏型過敏性肺炎秋津壽男社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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