“頑張れ”の一言がわが子を追い詰める…!? 「励ましのNGワード」を避けるべき理由
子どもに「頑張りなさい」と声をかけているママをよくみかけます。徒競走で惜しくも2位になったわが子に「もう少しで優勝できたのに、残念だったね」とダメ出しする人もいます。
でも、「頑張って」を頻繁に使うのは、果たしてどうなんでしょうか。言われた側はどう感じているでしょうか。ひょっとしてこれ以上、頑張れないかもしれません。
そこで今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が“追い込んでいるかもしれない励ましの言葉”についてお話します。
■「これ以上頑張れない」のに頑張れと言うのは身勝手
大人同士のFacebookやLINEでのやりとり。
「今日も一日がんばりましょう!」
「お仕事、頑張ってください!」
「お誕生日おめでとうございます。これからも頑張ってください」
「毎日、毎日がんばっているのにこれ以上どうするの?」
「誕生日を迎えるたびに、年をとって身体はドンドン老化するのに、また老体に鞭打って頑張らないといけないんだあ」
捻くれているかもしれませんが「これ以上、無理!」と感じてしまう人も実際いるようです。また「無理しないでね」と言われると「無理しているように見えるのか」、「お休みのところ失礼いたします」と言われると「こっちは休日も仕事しているんだからね」と思う人もいます。人間の心って勝手なものですよね。
相手の状況を詳しくわからないでかけるお決まりの社交辞令にいちいちつっかかる必要はありませんが、わが子には状況に応じてかける言葉を工夫してみませんか。
■相手に共感する「カウンセラーの心得」とは?
よく知られていることですが、以下の言葉はうつ病患者に決してかけてはならない禁句です
×「元気だして!」
×「頑張って!」
×「皆おなじ苦労しているのよ、あなただけではないのよ。だから頑張ろう!」
真面目て一生懸命で責任感が人一倍強いうつ病患者は頑張り過ぎたため病気を発症してしまったのです。これらは追い打ちをかける言葉だったりします。
ですから、精神科医やカウンセラーはこれらの言葉をかけません。もし、相手の心を推し量ることもしないで、安易にこのような励ましの言葉をかけたら命取りになります。
実際に自殺のリスクが高まります。この“氷のような激励の言葉”に背中を押され「もう、これ以上頑張れない」と感じてしまうからです。
こんな時はこう言った方がよいのです。
「死にたくなるくらい辛いんですね」「生きていたくない、そう感じるのですね」「悲しくて辛いですね」。心の治療のプロはむやみやたらに励ますことはありません。相手の気持ちに寄り添います。耳をじっと傾けて能動的に聞きます。傾聴します。共感します。
更に、うなずくだけではなく、「うん、うん」「はい、はい」と相槌を打つだけなく、相手の感じている言葉をそのまんま返します。すると患者は「自分の辛い気持ちを理解してもらえた」と感じ、心が軽くなります。
■子どもにも「寄り添う」対応を
幼稚園で友達から「バカ」と言われ落ち込んで帰ってきた子ども。唯一、心を許している家族に「僕ってバカなんだ」と子どもが呟いた時、「そんなことないよ」とつい言ってしまいます。
でも、これは子どもが感じている感情を否定していること。「そんな悲しいこと言わないで」のママの感情を優先し思わず否定したくなりますが、まずは「バカって言われちゃたんだ、そりゃ悲しいよね」とまず、寄り添ってあげましょう。
更に「頑張って」の言葉の裏には「あなたはまだまだ頑張れるはず」「まだ頑張りが足りない」「もっと努力しましょう!」の期待があります。
こんな風に言い換えてみてはどうでしょうか。
×:勉強、頑張りなさい!
○:勉強を頑張っているね。いつも感心しているよ
×:頑張って一等賞になりなさい!
○:運動会を楽しんでこようね。
いかがでしたか。
機械的に「がんばって」というのを止めてみませんか。当たり前のように使っている言葉、時には見直すことも必要かもしれませんね。
【参考】
※ 『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』
※ 『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』
【画像】
※ luxorphoto / Olimpik – Shutterstock
【著者略歴】
※ 立石美津子・・・専門家ライター。32歳で学習塾を起業。現在は保育園、幼稚園で指導しながら執筆・講演活動に奔走。自らは自閉症児の子育て中。著書に『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』『読み書き算数ができる子にするために親がやってはいけない104のこと』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『「はずれ先生」にあたった時に読む本』『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』
【画像】
※ Minnikova Mariia / Shutterstock