労働相談3年連続トップの「いじめ」に巻き込まれたときの対処法

Suzie(スージー)

労働相談3年連続トップの「いじめ」に巻き込まれたときの対処法

こんにちは。接客コンサルタントの樋口智香子です。

周囲から愛され、信頼される、魅力的なビジネスパーソンを育成する人材教育をしています。

ついに、心の病などによる精神疾患での労働災害の申請数が、過去最多となりました。厚生労働省が公表した2015年度の労災状況まとめによれば、うつ病などの精神疾患を発症し労災を請求した人は1,514人。そのうち、472人が認定をされています。

主な原因は、長時間労働やパワーハラスメント。

見逃してならないのが、この労災申請数は、悩めるビジネスパーソンの氷山の一角を表した数字であること。その奥には、病になるまでではないものの、心労を抱えたまま働いている人が膨大にいるという真実です。

というのも、民事上の個別労働紛争の相談内容において「いじめ・嫌がらせ」に関するものは、なんと62,191件。これは、3年連続、最多の数です。

こうした「職場でのいじめや嫌がらせ」から、心を守るためには、どうすればよいのでしょうか。万が一、いじめや嫌がらせに巻き込まれてしまった場合の、対処法について、お伝えします。

■1:まず「なぜいじめられるのか」客観的に分析する

いじめや嫌がらせを受けたら、「そもそも、なぜ、いじめを受けるのだろう?」と冷静に分析をしてください。

周囲とのトラブルが無かったか、日頃の行動・態度に省みる点はないか、自身を振り返ってください。もし、思い当たることがあって、すぐに変えられることがあれば変えましょう。

例えば、あるシングルマザーの例です。

接客業の彼女は、職場の女性からの風当たりが強いことを感じていました。

「なぜだろう?」と自己分析をしてみると、無意識のうちに職場で子供の話をしており、「シングルマザーの自分はたいへんな境遇である」「子供のために早く退社したい」という態度がにじみ出てしまっていたことに気づきました。

それから態度を改め、仕事中はプロに徹し、子どもの話をしないようにしたところ、周囲との摩擦は無くなりました。

自分に原因がないか、それとなく周囲の人に聞いてみるのも効果的ですね。

■2:いじめてくる人に理由を聞いて本音を伝え合う

いじめにいく前の、摩擦の原因の大半は、コミュニケーション不足です。お互いの思い違いや、ちょっとした言葉の誤解からきていることが多いのです。

「これくらいは察してもらえる」という意識が、言葉を交わす、相談をするというコミュニケーションを飛ばし、誤解を生みます。

いじめられる原因がわからない、という場合は、思いきって相手に歩みよりましょう。

「ご相談したいことがあるのですが、お時間をいただけますか?」

「最近、○○さんを困らせてしまったことがあったでしょうか?」

「私が、○○さんに嫌な思いをさせてしまったことがあったでしょうか?」

このように、ダイレクトに聞いてしまいましょう。

いじめている側は、いじめたくなってしまうほどのネガティブな気持ちを、直接伝える勇気がないのです。だからこそ、いじめ、という歪んだ方法で解消しようとする、いわば小心者なのです。

あなたが一歩上の視点に立ち、相手が気持ちを伝えられる場を作ること。きちんと向き合えば、本音を伝えあうことができます。互いに納得がいくまで話すこと。対話は、最強の解決方法です。

■3:上司にいじめの事実のみ伝えて様子を見てもらう

それでもいじめがなくならない場合は、信頼できる第三者に相談しましょう。言いにくいとは思いますが、解決のための行動をしないといつか爆発してしまうかもしれません。

とはいえ、上司など、職場の人に相談をする場合、ひとつ留意点があります。

それは「いじめを受けているので、すぐになんとかしてほしい」という早急なアクションを求めないこと。

まずは、「現在、こういう嫌がらせを受けている」という事実を伝え、そのうえで「今後、見ていてほしい」とお願いをします。

というのは、上司も、一方の話を聞いただけでは判断がしにくく、いじめている側に、即、直接的な注意をしてしまった場合、反感をかい、余計いじめがエスカレートすることもあるのです。

まずは、上司の耳にいれておく。その上で、上司と連携をとり、様子を見ていてもらう。そして、ここぞというときに注意をしてもらうなど、力を借りましょう。

また、職場から離れ、カウンセラーなど、心の専門家に相談をするのも一手です。

いじめは絶対によくないことですが、いじめられる側の心の問題で、無意識にいじめを引き寄せるような行動をしている場合もあるからです。それはときに、幼少期など、過去の出来事が関係している場合があります。

いじめを受けた心の傷のケアと、その現実を引き起こした無意識の行動を分析する。それができるのが、プロのカウンセラーです。職場の相談窓口などではなく、きちんと本職にしているカウンセラーを選びましょう。

いじめは「気にしない」「放置する」などの対処法ではらちがあきません。できることを、ひとつずつ行動し、誰のものでもないあなたの大切な心を守ってくださいね。

(文/樋口智香子)

【参考】

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