一度に1つずつ!食べすぎなどの悪い習慣をやめ続ける3つの原則

Suzie(スージー)

一度に1つずつ!食べすぎなどの悪い習慣をやめ続ける3つの原則

きのう、『マンガでわかる「続ける」習慣』(古川武士著、みつく作画)という書籍をご紹介しました。「習慣化コンサルタント」として有名な著者が、「続ける」ためのメソッドを明かした名著のコミック版です。

そちらに続いてきょうは、同時発売された『マンガでわかる「やめる」習慣』(古川武士著、みつく作画)を取り上げてみたいと思います。

タイトルからもわかるとおり、「続ける」とは対極にある「やめる」をテーマにしたもの。

ちなみに原作は、2013年に発売された原作『新しい自分に生まれ変わる 「やめる」習慣』。心理学やコーチング理論に基づいた、合理的かつ理論的に悪い習慣をやめられるメソッドとして大きな話題を呼びました。

その要点をマンガで紹介しているわけですから、わかりやすさも抜群です。

主人公は、食べすぎを改めるべく「やめる」習慣をスタートさせた28歳のOL。その変化を確認しながら、「やめる」コツがつかめる内容になっています。

■やめ続けるために必要なキーワード

まず、悪い習慣を止めるために必要なのは、「なんのために」それをやめたいのかという「骨太の理由」。それは、次の3つに集約されるといいます。

(1)危機感:この習慣をやめないときに起きる悪いこと

(2)快感:この習慣をやめれば起こるいいこと

(3)期待感:長期的に得られるメリット

このように3つのキーワードから骨太の理由を見つけ、危機感、快感、期待感が調和すると、モチベーションは最大化するそうです。

■やめることを習慣化する3つの原則

著者が本書で主張しているのは、「やめる習慣」を維持できれば好循環が生まれるという考え方。やめることを習慣化するということです。

現実的に難しいことでもありますが、習慣化に失敗する原因を探してみると、それは3つに集約されるのだとか。

(1)欲張ってあれこれ止めようとすること

(2)すべてを一気によくしようとすること

(3)短期的な目標に夢中になりすぎること

そして、これらの失敗を招かないためには、守るべき3つの原則があるのだそうです。きのうの「続けるための3つの原則」と似ているようでいて、また少し異なっているところがポイント。

[原則1]:一度に1つの習慣に取り組む

複数の習慣を一気にやめようとすると、挫折の確率が高まるもの。一度に1つずつ、確実にやめることが大切だといいます。

[原則2]:センターピンとボトルネックを明確にする

習慣化にはキーとなる指標があり、それをセンターピンと呼ぶのだそうです。たとえば早起きのセンターピンは、「寝る時間」。起きる時間だけ早めても、睡眠不足で挫折してしまうということ。

逆から考えれば、重要なセンターピンを明確にして習慣化すれば、自動的に結果が出るわけです。

一方のボトルネックは、「急な飲み会で遅くなり、早起きできない」など、センターピンに集中すべきときに問題となる障害。「誘惑に負けそうになる瞬間はいつなのか」「要因はなにか」を考えておくことが大切だといいます。

[原則3]:目標達成ではなくプロセスに集中する

「5キロ減らす!」などと結果重視でがんばると、目標達成後はモチベーションがなくなるのでリバウンドが起きるもの。

一方の習慣化は、「5キロ痩せるために1日1,800キロカロリーの食事にする」など、行動を無意識化するプロセス。しかし無意識化さえできれば、目標を達成するためのモチベーションは不要です。

■禁欲期に誘惑に負けない3つの対策

骨太の理由とやめる3原則を知って習慣化をスタートしたとしても、次に訪れるのは誘惑に負けそうになる禁欲期(第1週~第3週)。

この時期に大切なのは、成功と挫折を繰り返す「山あり谷あり」を乗り切り、続けること。失敗しても引きずらず、3週間、習慣行動を続けるべきだというのです。

[対策1]:誘惑を断つ環境をつくる

有効なのは、誘惑の要因を避ける努力=誘惑を避ける環境づくり。たとえば本書の主人公のようなダイエットの場合なら、高カロリーなお店に行かない、食べ放題やスイーツ店などは避けるということが重要。

[対策2]:行動を可視化する

習慣行動は無意識に繰り返されるので、コントロールすることはなかなか困難。しかし記録して可視化すると管理が容易になり、自己コントロールする意欲が湧いてくるそうです。

その際のポイントは、数値とともに感情も記録すること。「きょうの体重は56キロ、摂取カロリーは2,000キロカロリー、感情:きのうより食べる量をコントロールできている実感あり!」という具合。

[対策3]:「投げやり」に上限をつくる

一度の挫折で心が折れ、「投げやり思考」に陥らないための対策が必要。

まずは「投げやり思考」に陥るケースをいくつも想定してみる。そして、挫折時の対策を考える。これが大切だといいます。

なぜならこうしておけば、「投げやり思考」に陥りそうなときでも、「少しでも自分が定めたルールを守れた」という自己コントロール感を持てるから。

ひいてはそれが、習慣を持続させることになるわけです。

『「続ける」習慣』と同様に、とても理解しやすい内容。マンガがハードルを引き下げてくれてもいるので、読みながらストレスを感じることもないはずです。

(文/作家、書評家・印南敦史)

【参考】

古川武士(2016)『マンガでわかる「やめる」習慣』日本実業出版社

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