目指すはおそ松さん?月9ドラマ『好きな人がいること』のお粗末ぶりに賛否 (2/2ページ)
また最近のフジドラマと同じく、演出には怪しげな部分も見え隠れした。夏向は放送前に“天才シェフ”と散々PRされていたが、いざフタを開けてみれば、“湘南の食材を使った評判の創作料理”はB級グルメのオムバーグ。隠し味は地元・湘南の地酒「江乃島」。今のところ、天才性の片鱗は見えない。
桐谷のほうは、女友達と山崎に「梅干しみたいな唇だ」と偶然同じツッコミを受ける。そして放送終盤に山崎お手製のオニギリを食べている際、山崎に「もう一個のほうが美味いから」と薦められて食べたオニギリの具材は梅干し……と見るも恥ずかしい場面が次々と展開された。
「ドラマというより、男よりどりみどりのお姫様を描いた、若い女性視聴者が楽しむだけの鑑賞コンテンツです。3人のイケメンを平等に露出しようというのが見え見えで、男性主人公の不在感が顕著。歳の差カップルを作ろうとして非難轟々だった『ラヴソング』の失敗もふまえて、三兄弟の誰にでもスイッチできるよう、脚本に保険をかけている節もあり、人物やストーリーに感情移入しづらいです。『恋仲』最終話では最後まで『2人どちらから選ぶか分からないぞ!』とあおっていましたが、今回は『3人のうち誰が選ばれるか分からないぞ!』とあおってくるかもしれませんね。数を増やせばいいと思っているのでしょうか」(前出・関係者)
本命の主役はいないけど、各男性キャラそれぞれにファンがつく。フジの理想は、女性たちの間で一躍ブームとなった人気アニメ『おそ松さん』か。それならいつの日か、六つ子と一つ屋根の下で暮らすヒロインを描いた月9ドラマが見られるかもしれない。
- 文・佐々木浩司(ささき・こうじ)
- ※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。