AV業界は自滅する?大規模なガサ入れをした警察の"真の目的"とは【5】 (2/3ページ)
客の立場に限って言えば、ピンサロやハプバーの方が万が一の危険があるのだ。
それではAVはどうかというと、まず店を構えている訳ではないので風営法は関係なく、不特定多数の客を相手にする訳でもないので売春防止法にもあたらない。ただし、どこかのメーカーが「ガチ素人男優物」を企画して男優を公募し、さらに参加者から金を取るといった信じられない大失敗をすれば、売春防止法が適用され、制作会社やプロダクションが逮捕される可能性がある。とはいえ、そこまでマヌケな事をする人間はいないだろうから、野外露出物の撮影中に捕まって公然わいせつといった辺りが定番の罪状であろう。
また、女優が望まぬ撮影を強行した(という親告があった)場合は、その内容次第で強姦・強要・強制わいせつといった容疑になる。この場合は女優が被害者として親告するケースが殆どだろうから、制作会社と男優が逮捕され、プロダクションはその事実をどの段階で知ったかによって容疑者にも親告する立場にもなり得る(かのバッキー事件を例に出すと、プロダクションは親告者で、制作会社の代表に強姦致傷で懲役18年という判決が下った)。
これらは、原則として現場を組む制作会社(AVメーカー)がブレーキを踏めば殆どを回避できるのだが、AV女優が実質上の労働者であり、AVが性行為・準性行為をする限り、どんなやり方をしても逃げられないのが、労働者派遣法の有害業務である。これで摘発を受けた場合、容疑者の立場になるのは(ほぼ)AVプロダクションのみという特徴もある。
このように、裸商売とは業態ごとに差はあれど、複数の刑法・行政法の上を綱渡りさせられている。そこから一歩でも足を踏み外せばすぐに逮捕されるし、警察様の機嫌が悪ければ「綱の上を歩いていただけなのに!」と、ルールを守っているつもりでもアウトになる場合すらある。それがセックスワーク・法律・警察の関係性なのだ。
話は変わるが、つい先日、大阪府警の警察官ら数人に監禁・暴行・強姦された女性が、警察官らが不起訴になった事を不服として検察審議会に審査の申し立てを行ったが、これなどAV業界の人間がやったらどんな事になるだろうか。