AV業界は自滅する?大規模なガサ入れをした警察の"真の目的"とは【5】 (3/3ページ)
事件のシチュエーションはバッキー事件と大差ないというのに、加害者が警察官ならば「抵抗がなかったから合意だと思った」で不起訴になるというのだから、この国には法の平等の概念がなさすぎる。バッキーがもし警察官が経営しているメーカーだったなら、あれだけ凄惨な事件を起こしてもお目こぼしされたかもしれない。
■AVを便利に使い倒したメディアの無責任さ少々話が横道にそれるかもしれないが、AV女優(=セクシー女優)の扱いに関するメディアの罪について考えてみたい。
出版社やTVなど、過去に何度もAV女優を掲載また出演させていたが、誰も危機感を持つ人間はいなかったのだろうか。例えば、某有名週刊誌などAVどころか「海外無修正エロサイトの使い方指南」をコンテンツとして掲載していたが、そこまで行くとモラル崩壊レベルの話ではない。そして、そんな彼らが今回の騒動でAV業界を非難する事はあっても、庇う声は殆ど聞かれなかった。AV業界の方法論自体は良くも悪くも何も変わっておらず、法的にグレー(むしろブラック)なままだったのだから、それを承知でコンテンツとして消費していた各メディアにまったく罪がないとは言い切れまい。
各メディアがAVの致命的な弱点・欠陥を無視し(または知らず)、不用意にグラビアアイドル的な扱いで露出させ続けた結果、まるでAV女優が普通のタレントかのようなイメージになってしまった。それ自体は喜ばしい話ではあるのだが、すべては「AVが完全に合法ならば」の話である。どんなにキレイに見えたとしても、性を取り巻く法律が何も変わっていない以上、彼女達は常に逮捕リスクを抱えたまま活動する事になる。そうした背景を誰も知らせず、次々と若い女性が危機意識もないまま業界に入り込んでしまったのだから、グラビア誌や深夜のTV番組などには「負の広告塔」と化してしまった責任があるのではなかろうか。彼らには、いまさらAVを非難して正義漢ぶる資格はない。
今後、AV業界は「完全合法化」ないしは「逮捕リスクの軽減」に向けて動くと思われるが、その際にTVや雑誌は責任の一端を感じてキャンペーンに協力してくれるだろうか。それとも安全が確認できるまで高みの見物をするのだろうか。その辺りを興味深く見守ろうと思う。
Written by 荒井禎雄
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