生物+ロボットで誕生した人造クリーチャー、光に反応する筋細胞で動き回るエイ型ロボット(米研究) (3/4ページ)
この構造を正しく作り出すことが、心細胞に骨格筋の役割を果たす上で決定的に大切なのだという。
だが、エイの筋肉の構造をそっくりそのまま模倣しているわけではない。本物のエイは胸ビレに2セットの筋肉があり、互いに反対方向に引っ張ることでヒレを下げ、次に上げる。ところがロボットには筋肉が1セットしかない。これがヒレを下に曲げると、今度は金の骨格のバネ作用によって元に戻る。
改造された心細胞は、ウィルスに感染することで光遺伝子分子のスイッチをコード化している遺伝子を受け取る。こうして青い光を浴びるとピクピクと動くようになる。しかし、この効果を一貫した動きに変換するために、数ヶ月の試行錯誤が繰り返された。
ロボットエイを単純にまっすぐ進めるだけでも200回もの試験が必要だったという。結果、光の周波数を変えることで収縮率を変化させることが可能となり、それによって生み出される左右のヒレの波打つ速さの差異によって方向転換ができるようになった。
その速度は時速9mで、方向転換もゆっくりとしたものだ。本物のエイからは哀れみの目で見られてしまうかもしれない。とはいえ、ロボット工学において飛躍的な進歩であることに違いはない。ある専門家は「生物学と工学の融合点に到達しつつある」と称賛する。
しかし、生体筋肉を持つロボットが、栄養を満たした溶液をラットの体温に温めるだけで動作し、さらに自然環境でも活動できるようになるまでには長い道のりが待っている。
また、このアプローチが実用的なロボットの開発に至り、さらに究極の目的である生体人工心臓の開発につながるのかどうかも不明だ。