友成那智 メジャーリーグ侍「007」 ポストシーズンを見据え温存される「ダルビッシュ」 (2/3ページ)
1年以上実戦から遠ざかっていたためスタミナにやや問題があり、1戦目、2戦目はゲーム中盤に制球が甘くなって失点する場面があったが、それでも防御率は2.87だ。通常はどんな大投手でも復帰後2、3カ月は4、5点台の防御率が当たり前なのだから、驚きを禁じ得ない防御率である。
球団がダルビッシュを過保護と思えるほどたっぷり休ませているのは、トミージョン手術明けの投手は復帰後、ヒジ以外の部分に故障が起きやすくなるからだ。
同手術を受けた投手はリハビリ期間中、ピッチングに関連する他の筋肉を徹底的に鍛える。そのため体のどこかに無理がいき、復帰後、思わぬ部位を痛めることがよくある。レンジャーズの首脳はそれを危惧し大事を取っているのだ。
辣腕で知られるダニエルズGMは、すでにポストシーズンを見据えている。
レ軍は6月29日現在、51勝27敗でア・リーグ西地区の首位を独走しており、2位アストロズに10ゲーム差をつけている。これだけ貯金があると7月以降、勝率5割でいけば地区優勝は確実だ。そのため、頭の中はワールドシリーズを勝ち進むことで一杯なのだ。
今季のレ軍は強力打線がフルに機能しているだけでなく、弱体と見られていた先発投手陣が期待以上の働きを見せ、メジャー30球団の中で最も高い勝率をマークしている。しかし、先発陣はB級の投手が優秀なブロケイル投手コーチに乗せられて、実力以上の結果を出している感がある。ポストシーズンの大舞台で、ある程度活躍を期待できるのは左腕のエース、コール・ハメルズただ1人だ。ポストシーズンで勝ち上がるにはもう1人、防御率2点台の投手同士の投げ合いで勝てる右投手が1人必要になる。
レ軍の先発陣を見ると右投手で今季一番活躍しているのは、広島カープで生まれ変わったコルビー・ルイス(6勝1敗、防御率3.21)だが、6月半ばに肩の広背筋を痛めDL入り。シーズン終盤まで復帰できない。
広背筋を痛めると復帰後すぐに100%のピッチングは出来ないので、ルイスはポストシーズンでは大きな戦力にはならないだろう。そうなると、頼れる右腕はダルしかいない。