友成那智 メジャーリーグ侍「007」 ポストシーズンを見据え温存される「ダルビッシュ」 (1/3ページ)

週刊実話

 レンジャースのダルビッシュ有は1年2カ月に及ぶブランクを経て5月28日に復帰後、3試合に先発したあと「肩と首の張り」を理由にDL入りした。トミージョン手術との関連が気になるところだが、どのような状態にあるのだろう?

 DL入りすることになったのは、復帰第3戦となる6月9日のアストロズ戦で登板中に右肩の違和感を覚えたからだ。ただ、チームドクター(キース・マイスター博士)による診察やMRI検査では肩の関節や筋肉に何の異常も見られなかったため、本来なら先発予定を一度回避するだけで済むレベルの故障なのだが、球団は大事を取って故障者リストに入れ、十分休ませることにした。
 球団がそのような判断をした最大の要因はダルビッシュが5月下旬に復帰後、3度の登板でトミージョン手術明けの投手とは思えないハイレベルなピッチングを見せたからだ。そのため、レギュラーシーズンではなるべく消耗を避け、ポストシーズンでフルに活用したいと思ったのだ。

 トミージョン手術を受けた投手は13〜15カ月のブランクを経て復帰することが多い。だが、復帰当初はまだ手術のダメージが残っているため、球速が遅くなるだけでなく、制球も不安定な状態が続く。
 日本人投手の例で見ると30代になってから同手術を受けた松坂大輔や藤川球児は復帰後、球威も制球も落ちて60〜70%程度のピッチングしかできなかった。同手術の成功例である田澤純一も復帰後2、3カ月は70〜80%程度の回復で球威に欠け、マイナーの試合でよく打たれていた。
 このようにトミージョン手術明けの投手は、球威不足と制球難に見舞われ、復帰後しばらくは本来のピッチングができていない。順調に回復した投手でも以前の80%レベルに戻るのに18カ月を要するものだ。

 それを考えると、ダルビッシュが復帰後に見せたピッチングは驚異的と言っていい。
 ダルは復帰第1戦から速球が走り、最速は157キロ、速球系の平均時速は151キロを記録した。これは一昨年より2キロ以上速い数値だ。見せ球に使う速球の威力があるため、伝家の宝刀スライダーの威力もさらにアップしている。

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