子どもも大人も楽しめる! メッセージ性のあるおすすめアニメ映画10選

学生の窓口

みなさんはアニメ映画を見たことがありますか? アニメはおとなになったら見ない……という人もいるかもしれませんが、食わず嫌いは損! 一見ファンタジックなイメージの作品にも、現代社会を色濃く反映した見応えのあるものがたくさんあります。学校で会社でプライベートで、悩んだ時の処方箋になってくれる1本が見つかるかもしれません。今回はそんな大人も子どもも楽しめるおすすめアニメ映画を紹介します。

■ハウルの動く城

冒頭、ヒロインの少女ソフィーは魔女の呪いで老婆の姿に。作品中ほとんどの時間を90歳のおばあちゃんとして過ごすなんて、大胆な設定ですよね。動く城の持ち主である魔法使いハウルや、火の悪魔カルシファーらと力を合わせて、はたしてソフィーは元の少女の姿に戻ることができるのか…… 老いた姿で奮闘するソフィーの物語は、物心ついたときにはなにかを悟り、あらかじめ老いを先取りするような感覚で生きるこんな時代を生きるヒントを与えてくれるかもしれません。

監督:宮崎駿
原作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『魔法使いハウルと火の悪魔』(徳間書店刊)
キャスト:倍賞千恵子、木村拓哉(SMAP)、美輪明宏、我修院達也、神木隆之介、大泉洋、大塚明夫、原田大二郎、加藤治子
制作会社:スタジオジブリ

■千年女優

アニメ映画ながら主人公が一人の映画女優という、異色の作品。かつての売れっ子映画女優がその半生についてのインタビューを受けるところからストーリーが始まります。 彼女が演じた様々な映画のヒロイン役についての話が彼女自身の人生と絶妙にからまり合い、物語はどんどん一人の女性が巻き込まれた運命の話へとフォーカスされていきます。女優が次々にいろいろな役を演じることが、徐々に輪廻する姿にも見えてきます。 彼女が千年女優と言われるゆえんは、見てのお楽しみです。

監督:今敏
原作:今敏、村井さだゆき
キャスト:荘司美代子、小山茉美、折笠富美子、飯塚昭三、佐藤政道、小野坂昌也、津田匠子、鈴置洋孝、片岡富枝、石森達幸、徳丸完、京田尚子、山寺宏一、津嘉山正種
制作会社:ジェンコ、マッドハウス

■ミニオンズ

ミニオンズはバナナみたいに黄色い、ちっちゃい生き物たち。彼らは自分たちがついていくリーダーを求める性質を持っています。しかしあまりにもパワフルでドジなせいで、歴史上繰り返し、自分たちのご主人を滅ぼしてしまう困った集団。 学校でも会社でも他のコミュニティでも、集団というものについて様々な感情を抱くことがあるのは社会に生きる誰もが持つ宿命のようなもの。コメディタッチのミニオンズを眺めることで、ふだんと違う客観的な発見があったり、ストレス解消になったりするかもしれません。

監督:ピエール・コフィン、カイル・バルダ
キャスト:サンドラ・ブロック、ジョン・ハム、スティーブ・クーガン、マイケル・キートン、マイケル・ビーティー
制作会社:イルミネーション・エンターテインメント

■リトル・マーメイド

この映画をオススメしたいのは、あらすじや結末の意外性を目的として見る以外の楽しみがあるからなんです。第一の魅力は、ミュージカル映画としての側面。主題歌「パート・オブ・ユア・ワールド」をはじめ、聞くだけで元気が出るような優れたメロディラインを持つ名曲がたくさん。 また、吹き替え版で見るときに注目してほしいのが、アリエル役、すずきまゆみさんの歌と演技。弾むような歌声とみずみずしいセリフの表現が、圧巻です。

監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ
キャスト:ジョディ・ベンソン、サミュエル・E・ライト、パット・キャロル
制作会社:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー・フィーチャー・アニメーション

■崖の上のポニョ

人間の男の子に恋をした人魚のポニョが人間に変身。海の底から地上へ、大好きな宗介めがけておしかけます。こちらも「人魚姫」がモチーフになった作品ですが、注目すべきはヒロインが幼女だというところ。 「好き」という想いの力で何万馬力も出せてしまう、怖いほどの純粋さ。宗介もポニョを想って自分の命の危険もかえりみない危うさがあります。 年齢や経験を重ねるに従って忘れてしまいがちな力。でも思い出すことで、エネルギーの源になってくれるような力が描かれています。

監督:宮崎駿
原作:宮崎駿
キャスト:山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、奈良柚莉愛、土井洋輝、柊瑠美、矢野顕子、吉行和子、奈良岡朋子
制作会社:スタジオジブリ

■サマーウォーズ

世界中の人に利用されるインターネット上のコミュニティ空間であるOZ(オズ)が舞台。謎の人工知能ラブマシーンにOZが乗っ取られ、さらに現実世界にまで影響が。そこに立ち向かうのが夏休みの少年たちです。 人工知能が人間の知能で理解できる領域を追い越すと言われている2045年問題を思うと、単なるSFとは言えない今の社会。また、少年たちを取り巻く多様な世代の親戚がキャラクターとして登場するところがこの映画に現実社会との接点をもたらしています。

監督:細田守
原作:細田守
キャスト:神木隆之介、桜庭ななみ、横山貴大、谷村美月、富司純子、斎藤歩
制作会社:マッドハウス

■魔女の宅急便

「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」のキャッチコピーが、一度見たら忘れないほどのまっすぐなインパクトを持っている作品。 言わずと知れた宮崎駿の代表作ですが、何年か前には見たけど内容をしっかりは覚えていないという方に、あえてあらためて見ることをおすすめしたい映画です。 この作品で主人公のキキが飛べなくなったのはどうしてでしょうか? 結末でも実は完全な答えは出ないストーリーとなっていますが、学校に仕事にプライベートにうまく言えない行き詰まりを感じたとき、原点に帰ることをそっと教えてくれるかもしれません。

監督:宮崎駿
原作:角野栄子
キャスト:高山みなみ、佐久間レイ、戸田恵子、山口勝平、加藤治子
制作会社:スタジオジブリ

■霧の中のハリネズミ

旧ソ連で製作された、10分ちょっとの長さの短編アニメです。セリフというセリフはほとんど出てこないため、吹き替えなしでまったく問題なく理解できる内容。Youtubeなどでフルムービーを検索して手軽に見ることもできます。 この作品の魅力は、主人公であるハリネズミが持っている、自分だけの独特な時間感覚。眠るときにわたしたちが見る夢の中で過ごす、日常とは違う時間にも似た浮遊感覚を味わえます。短い鑑賞時間で、ちょっと気分を切り替えたいときなどにおすすめします。

監督:ユーリイ・ノルシュテイン
キャスト:マリヤ・ヴィノグラドヴァ、ヴャチェスラーフ・ネヴィーヌィイ
制作会社:ソユズムリトフィーリム

■おおかみこどもの雨と雪

雨と雪は「おおかみこども」の姉と弟。人間の母親と「おおかみおとこ」の父親とのハーフとして生まれ育っています。 ある日、お父さんは家に帰って来ませんでした。残された母子が郊外に移り住み、様々な葛藤とともに成長する物語。 「おおかみおとこ」の家族が主役という一見ファンタジックな設定ですが、ストーリーのなかでこの母子がぶつかる困難には、現代社会に生きる中でわたしたちにも無関係とは思えない部分も多く出てきます。

監督:細田守
原作:細田守
キャスト:宮崎あおい、大澤たかお、黒木華、大野百花、西井幸人、加部亜門、平岡拓真、菅原文太、片岡富枝、小林隆、中村正、大木民夫、井上肇、林原めぐみ
制作会社:スタジオ地図

■かぐや姫の物語

「かぐや姫」といえば、子どものころに読んだ、日本の昔話というイメージが強い方も多いのではないでしょうか?中学校の教科書で「竹取物語」として読んだ記憶が強く残っている方もいらっしゃるかもしれません。 この映画では、原作にはハッキリと描かれていない、かぐや姫の心理描写が丹念に創作され、描かれています。じつは彼女には、この地上で本当に愛した人がいたという新解釈で、恋心あり、また女性の生き方について深く考えさせる一作となっています。

監督:高畑勲
原作:竹取物語
キャスト:朝倉あき、内田未来、地井武男、三宅裕司、宮本信子、高吉健吾、田畑智子、高畑淳子、立川志の輔、仲代達矢、橋爪功、上川隆也
制作会社:スタジオジブリ

アニメ映画ならではのファンタジックな世界観は、実写とは違った角度から現実社会を見つめ直すキッカケにも。社会生活を送るなかでの言葉にならないモヤモヤした思いを整理するのに役立ってくれるかもしれません。

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