世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第183回 量的緩和とプライマリーバランス目標の不整合 (3/3ページ)
それにもかかわらず、わが国はPB黒字化と量的緩和という二つの政策を同時に進めている。
もちろん日本銀行にしてみれば、これほどMBを拡大したにもかかわらず、インフレ率がマイナスに戻ってしまうなどということは想定外だったのだろう。日本銀行は2%のインフレ目標達成時期を2018年3月に先送りせざるを得なかった。
とはいえ「デフレは総需要の不足である」ことを理解すれば当然の結末なのだ。
日本銀行のXデーを回避するためにも、量的緩和政策とPB黒字化は不整合であるという当たり前の事実を、国民や政治家が認識する必要がある。政府はPB黒字化目標を破棄、もしくは「無視」し、デフレギャップを埋める国債発行の拡大と大規模財政出動を決断する必要がある。
さもなければ、日本が世界的な「金融危機」「経済危機」の発端となる「日本銀行のXデー」は避けられない。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。