9割以上が自分の名前好き!相手に親近感を持たれる名前の呼び方
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コミュニケーション
こんにちは。接客コンサルタントの樋口智香子です。
周囲から愛され、信頼される、魅力的なビジネスパーソンを育成する人材教育をしています。
社員食堂や飲み会の席のようにガヤガヤしている場でも、誰かの口から出た自分の名前は聞き取ることができ、思わずそちらを向いてしまう、といった経験はないでしょうか。
これは「カクテルパーティ効果」と呼ばれ、1953年、心理学者のコリン・チェリーによって提唱されました。
「カクテルパーティのように、たくさんの人がそれぞれに雑談しているなかでも、自分が興味のある人の会話、自分の名前などは、自然と聞き取ることができる。
このように、人間は音を処理して必要な情報だけを再構築していると考えられる」というもの。
人間の最大の関心ごとは「自分」であり、なかでも名前は、自分を表すもっとも身近な存在です。
実際、株式会社マーシュが20~50代の男女480人に、自分の名前の印象について「自分に似合っている/名前負けしている」のどちらに近いか尋ねたところ、「自分に似合っている」に近いと回答した割合が、気に入っている人は9割以上でした。
これを、コミュニケーションに生かすことができます。会話中、意識的に相手の名前を呼ぶことで、親近感を持たれやすくなるのです。
実際、予約をしたレストランなどで「○○様、お待ちしておりました」と名前を呼ばれると、気分がいいですよね。
とはいえ日常会話の場合、とってつけたように名前を連呼するのは不自然です。そこで、どのように呼べばより効果的かをご紹介します。
■1:質問をするときに自然に名前を呼ぶ
名前を呼ぶのにもっとも自然なのは、質問をするときの冒頭です。
「○○さんは、どちらからお越しですか?」
「○○さんは、どんなお仕事をなさっているのですか?」
「○○さんは、どうお考えですか?」
どれも、自然な会話のフレーズですね。
名前の呼びかけを意識するなら、まずはここからはじめましょう。
■2:相手が呼んでほしいと思う呼び方で呼ぶ
人は「自分のことをこう呼んでほしい」という、好きな呼ばれ方がありますよね。関係性にもよりますが、「どのように呼ばれたいか」本人に尋ねてみてはいかがでしょうか。
「なんとお呼びすればよろしいでしょうか?」と、ダイレクトに聞いてしまいましょう。
一般的に女性は、苗字よりもファーストネームで呼ばれたほうがうれしいものです。相手の年齢にもよりますが、年下の女性であれば「○○ちゃん」と呼ぶのもいいですね。
逆に、親しくなっているにもかかわらず、いつまでたっても「苗字+さん」と呼びあうのは、少々味気ないものです。
また、周囲の人がニックネームで呼んでいるのを耳にし、「自分もそう呼びたい!」と思った経験はないでしょうか。この場合も、率直にその思いを伝えましょう。
「私も、○○とお呼びしてもいいですか?」と尋ねれば、たいがいOKをもらえるはずです。
■3:「ありがとう」と一緒に名前を呼ぶ
相手になにかしてもらったときに、お礼と一緒に名前を呼ぶのも効果的です。
「○○さん、ありがとうございます!」
「○○さんには、いつも感謝しています」
「ありがとう、○○ちゃん」
言葉には固有のエネルギーがあり、とりわけ感謝の言葉「ありがとう」は波動が高く、プラスのエネルギーを持つといわれています。「ありがとう+相手の名前」で、よいエネルギーの相乗効果が期待できそうですね。
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ただし、いくら名前を呼ぶのがいいといっても、呼びすぎはNG。
以前、私が通っていた美容室でのエピソードです。「接客中、なるべくお客様の名前を呼びましょう」と教育されているのか、アシスタントの若い女性が、とにかく頻繁に名前を呼ぶのです。
「樋口さん、シャンプー台へどうぞ」
「樋口さん、椅子の背もたれを倒しますね」
「樋口さん、お湯加減はいかがでしょうか?」
美容室にいる間、何度も何度も名前を呼ばれ、さすがに辟易してしまいました。過ぎたるは及ばざるがごとし。呼びかけが不自然にならないようにしましょう。
(文/樋口智香子)
【参考】