高カロリー食品を食べたくなくなるサプリメントが発見 (2/2ページ)
実際2013年に同チームが発表した研究結果では、6ヵ月以上にわたって、ただのイヌリン繊維を摂取した体重過多のボランティアグループより、イヌリン・プロピオナート・エステルを摂取したボランティアグループのほうが、体重の減少は大きかったという。
■ 通常の食品からの摂取は困難
研究チームのGary Frost教授は、「私たちの以前の研究では、この成分を摂取するとより体重を落とせることはわかっていました。でも、その理由はわからなかったのです。それが、今回の研究によって、足りなかったジグソーパズルのピースを発見することができました。このサプリメントは、ただ食べる量を減らすだけでなく、食に対する満足を得る脳の領域を不活性化させることがわかりました」
また、彼は同量のプロピオン酸塩を作り出すことができるほどの繊維質を、通常の自然食品から摂取することは困難だともいっている。「実験に使われたイヌリン・プロピオナート・エステルは10gです。これはプロピオン酸塩の生成を2.5倍に高めるものです。そのためには、60gの繊維質を摂らないといけません。しかし、イギリス人の繊維質の平均摂取量は15gです」。
同チームのClaire Byrne博士は、イヌリン・プロピオナート・エステルを摂取することで、体重の増加を防ぐ効果もあるのではないかと推測している。また、Tony Goldstone氏は、腸の働きを変えると、食欲を変えるだけでなく、高カロリー食品を摂ったときの脳の反応や高カロリー食品に対する欲求も変えることができると述べている。
腸内細菌についての研究は近年盛んになっている。腸内細菌はこれまでわかっていたよりもずっと人間の健康、脳の活動に影響を及ぼしているのかもしれない。
日本でもダイエットに対する関心は強いが、欧米ではそれどころではなく、健康に重大な影響を与えるほど太ってしまっているひとも多い。ダイエットはより深刻な問題なのだろう。
サプリメントで高カロリー食品への欲求を減らせるというのなら、副作用もあまり心配なさそうだ。こういった技術の進歩で生活習慣病を減らし、医療費も減らせるようになるかもしれない。
【参考】
※ Imperial College London
【動画】
※ Can scientists switch off junk food cravings with a simple food ingredient? -YouTube