浅井健一は「ビート」、チバユウスケは「南米」2人の歌詞に見る文学性の違い (5/5ページ)
日焼けした白いギターに新しい
一本の木が生えて 緑の葉っぱ達を
ゆさゆさなびかせる トロピカーナドリンク
白目はあいかわらず 黄色いまんまかい?
(「モンキーによろしく」より引用/アルバム『TEARDROP』収録)
青い羽が落ちて トランぺッター楽器を置いた
泥酔して 忘れたマントを
ヤセギスの死神に着せるために
(「I KNOW」より引用/シングル『I KNOW』収録)
この言葉の使い方はアメリカというよりは中南米。そして歌詞の中で起こっている出来事はどこか超現実的であり、魔術的だ。
■2人の歌詞を文学ジャンルに当てはめてみると…野暮を承知で「文学ジャンル」に当てはめてみよう。浅井がアメリカのアウトローをモチーフにした「ビート文学」なら、中南米を舞台に現実を超えた物語を描くチバは「ラテンアメリカ文学」だ。

ロックと中南米文学的な歌詞の融合、これはこれで唯一無二だろう。The Birthdayの歌詞には、メキシコやラテンアメリカを感じさせるものが他にも多くある。
一貫して歌詞に物語を持ち込み、ビートニック的な世界観を根本に持つ浅井と、変遷の末、新たなオリジナリティを獲得したチバ。
今日から始まったフジロックフェスティバルにも出演し、ともに第一線で活躍しつづけるレジェンド2人は、これからも「ロック黄金期」だった90年代後半を経験し、「最近のバンドは軟弱で…」と不満タラタラのロックファンたちの心を熱くし続けてくれるはずだ。(新刊JP編集部 山田洋介)