【ツレが産後ウツになりまして】第7回:アトピー性皮膚炎との闘い <前編>

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【ツレが産後ウツになりまして】第7回:アトピー性皮膚炎との闘い <前編>

“わが子が、妻にだけなつかない!”という問題を乗り越え、妻の口から「かわいい、赤ちゃんかわいい」という言葉が発せられた矢先、大学病院の小児科の先生から届いた一通のメール。

【お子さまの件ですが、アトピー性皮膚炎である可能性が高いと思われます】(『アタシにだけなつかない…妻が壊れる<後編>』より)

自身の不妊治療奮闘記を綴った『俺たち妊活部』の著者・村橋ゴローが見た、最愛の妻が産後ウツになっていく……壮絶な産後育児をお伝えします。

■次なる育児トラブルは「ブツブツ問題」

産まれてから、ずっと気になっていることがあった。それは赤ちゃんの顔・お腹・背中に広がる赤いブツブツ。

・母乳が出ない、赤ちゃんの飲み方がへたくそ

・慢性的な便秘

・極度の夜泣き

・赤ちゃんが妻だけになつかない

と、様々な育児トラブルが妻の前に行列をなしていたため、なかなか手をかけられなかったのだが、ほんの少しだけ落ち着きかけた生後2ヶ月のころ、この“ブツブツ問題”に直面することとなった。

赤ちゃんは妻が抱いても徐々に泣かなくなり、妻も本来の明るさを取り戻しつつあった。

「これだけはアタシ、得意なの。百発百中! 今日も出た!」と、笑いながら綿棒カンチョウにいそしむ妻。

そんな平穏な日々がようやく訪れた矢先のメールだった。

【お子さまの件ですが、アトピー性皮膚炎である可能性が高いと思われます】

妻の前に並ぶ“行列のできる育児トラブル”に、新たな客が並んでいた。

■まるで水拷問…!? 恐怖のDVD

赤ちゃんにアトピーの恐れがあると判明したため、大学病院で先生と今後についての話し合いが持たれた。

「お父さん、まずはこれを観てください」。

やおら、先生はノートPCを開いた。

「ちょっ……、こんなにキツくやるんですか!?」

PCから流れる洗顔教則DVDを観て、がく然とした。

画のなかには、かなり強めにゴシゴシと顔面をくまなく石鹸で洗ったあと、水勢MAXのシャワーで目・口・鼻・耳への入水を恐れることなく、バッシャバシャと洗い流されている赤ちゃんがいた。

これじゃまるで、水拷問だ……。これをわが子にやれってのかよ!? 俺にはできない。そう思っていると、先生が言葉を足した。

「赤ちゃんは、中耳炎にはかかりませんから」

理屈は聞き逃したが、「だから恐れるな」と、先生は覚悟を要求してきたのだろう。

■「ゴシゴシ洗顔」に泣き叫ぶわが子

ここから1日2回、恐怖のゴシゴシ洗顔が始まった。まだ「アトピーの疑いあり」と診断されただけで、何アレルギーなのか判明するのは月齢が増す、ずっと後のこと。

「洗顔だけでキレイな肌に戻った赤ちゃんもいますから」と先生。まだ生後2ヶ月の今できることは、このゴシゴシ洗顔しかないのだ。

朝のシャワーに入れるのは妻、夕方は僕が担当となった。妻は通勤前の忙しい時間にやることとなり、起床は前倒しの朝5時起きとなった。

夕方、風呂場に赤ちゃんを連れていき、バスマットに寝かす。シャワーで全身を流し、そして心を鬼にし顔面中を石鹸で洗い、シャワーで一気にゴシゴシと流す。

耳や目に入り、赤ちゃんは耳をつんざく声で泣き叫ぶ。風呂場だから余計に泣き声が響き、良心が痛む。

赤ちゃんのためとはいえ、まだ自我や記憶がないため僕を恨むことはないだろうが、それでもやはり、わが子が「怖い、苦しい」と泣くようなことをしなくてはいけないのは、心が裂けるほどに辛かった。

■それでも「肌の赤み」は増すばかり……

ウチの赤ちゃんはお風呂が大好きで、湯船に少し浸かればすぐ寝てしまい、天使の笑顔で僕を癒してくれた。それは日々鬱積する子育てストレスが、一瞬にしてどこかに飛んでいく幸せな時間だった。しかし、それも今日から奪われたかたちに……。

それでも肌に改善が見られれば報われるのだが、肌の赤みは日に日に増していくばかり。

たまにシャワーの様子を妻が見に来るのだが、僕が鬼の形相でゴシゴシしているらしく、妻から「笑顔で!」と、よく言われた。「赤ちゃんが余計に怖がってしまいますから」と先生に注意されていたのだが、どこぞの親が笑いながら水拷問などできるか。

そして次に持ち上がった問題が、食事だ。妻は母乳とミルク、半々で育てていたため、今度は妻への食事制限が始まった。これが、台所を預かる僕を苦しめた。

妻の産後ウツは快方に向かっていたが、今度は僕がストレスに苛まされることとなった。ふと気がつくと、僕の前にも育児トラブルの“行列”ができていた。

次回、「アトピー性皮膚炎との闘い 後編」をお送りします。

【参考・画像】

※ 村橋ゴロー(2016)『俺たち妊活部』(主婦の友社)

※ d13、 glebTv、Africa Studio/ Shutterstock

【著者略歴】

※ 村橋ゴロー・・・72年、東京都出身。大学生のときライターデビュー。以降、男性誌から女性誌、学年誌など幅広い分野で活躍。千原ジュニア、田村淳、タカアンドトシ、次長課長、高橋克典など多くの芸人、俳優陣の連載構成を手掛ける。3年に及ぶ、自身の不妊治療奮闘記をまとめた著作『俺たち妊活部』(主婦の友社刊)が好評を博す。また主な構成/著作に、『すなわち、便所は宇宙である』シリーズ(千原ジュニア著・扶桑社刊)、累計200万部突破した『GO!GO!バカ画像シリーズ』、『裏モテの秘策』(ともにKKベストセラーズ刊)などがある。結婚以来11年間、炊事・洗濯・掃除をこなす兼業主夫でもある。Twitter:@muragoro

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