友成那智 メジャーリーグ侍「007」 MVPは「田中将大」 最も期待を裏切った選手は? (2/2ページ)
しかし、勝ち星以外はハイレベルな数字が並ぶ。
防御率(3.12)はア・リーグ9位、貢献ポイントであるWAR(3.1)は同4位、安定感の指標であるWHIP(1.05)は同5位、耐久性を見る投球イニング数(112回1/3)は同6位である。
田中はヒジの故障リスクを減らすため、今季は三振を狙わず、打たせて取ることに徹している。投球スタイルの転換を図りながら、これだけハイレベルな数字を出していることは称賛に値する。
マーリンズのイチローはメジャーの野手で最高齢の42歳になりながら、オフの間、徹底的に下半身を鍛え、全盛期に近いスイングスピードを取り戻し序盤からヒットを量産。6月上旬には日米通算でピート・ローズの通算安打記録4256本を更新。メジャー3000本安打の達成も時間の問題となった。打率3割4分はナ・リーグの150打数以上の打者では2位、出塁率4割1分3厘は同3位、得点圏打率4割3分5厘は同2位である。
ただ、マ軍は若くて優秀な3人のレギュラー外野手を擁しているため、依然4人目の外野手という位置づけで使われており、出番が限られている。そのため、チームへの貢献度では田中に大きく後れを取っており、どちらがMVPにふさわしいか考えた場合、田中将大に軍配が上がる。
■LVP(最も期待を裏切った選手)
候補:青木宣親、上原浩治
受賞者:青木宣親
青木はオフにマリナーズと契約し、トップバッターとして期待されていた。しかし、以前は得意だった左投手を苦にするようになり、序盤から打率が低迷。6月半ばにはトップバッターから8番打者に降格。さらに6月23日には3Aに降格となった。日本のファンは、イチローの指定席だった「マリナーズのトップバッター」に青木が入ることに大きな期待を寄せていただけに、落胆は大きい。
レッドソックスの上原は新加入のキンブレルにクローザーの座を明け渡し、今季はトップセットアッパーに回った。これにより負担が軽くなったため、今季はフルシーズン、レベルの高い活躍をしてくれるのではないかと期待が高まった。しかし、伝家の宝刀スプリッターが落ちずに、甘く入って痛打されるケースが頻発。最大の武器が最大のリスクになってしまった。
レ軍は今季、地区優勝を狙える戦力を十分備えているが、上原の不振は首位争いでオリオールズに後れを取る一つの要因になっている。
ただ、青木と比較した場合、上原はここ一番というところで度々見事な働きを見せているので、LVPは青木で決まりだ。
ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中。