毎月2000円もお金の無駄!マルチビタミンは妊婦に不要と判明

Suzie(スージー)

毎月2000円もお金の無駄!マルチビタミンは妊婦に不要と判明

妊娠中は、赤ちゃんにきちんと栄養が届いているか気になりますよね。食生活で足りない栄養を、サプリメントで補おうと考える人もいらっしゃるかもしれません。

しかし、イギリスの医学雑誌『Drug and Therapeutics Bulletin』が、マルチビタミンなどのサプリメントは健康な妊婦にとって「お金の無駄」であるという衝撃的な見解を発表しました。

■過去のサプリメント研究結果は裏づけが怪しい

これは、いままでに発表された論文を調査した結果、明らかになったもの。

もちろん母体の栄養状態が悪いと、赤ちゃんには低体重や病気などの悪影響を与える可能性があります。しかし、市場にあふれる宣伝文句が謳うほど、すべての妊婦にサプリメントが必要かというと、そこには疑問が残るというのです。

実はサプリメントの研究の多くは、栄養状態があまりよくない国で行われてきました。

そのため偏った結果になりやすく、ビタミンやミネラルのサプリメントの効果をはっきり裏づける結果は出ていないのだそうです。

今回の調査は、ビタミンA、C、DおよびE、鉄分、葉酸を中心に、妊婦にとってサプリメントはどのくらいの効果があるのか、そしてその効果はサプリメントを販売する際の裏づけになるのかを明らかにするために行われました。

■本当に必要なのは「葉酸とビタミンD」だけ!

調査の結果、もっとも強く効果を裏づけることができたのは葉酸のサプリメントでした。

すでに数多くの研究があるように、「葉酸塩」という栄養素によって、無脳症(新生児が脳の一部および頭蓋が欠損したまま生まれること)や二分脊椎(脊椎の形成が不完全であること)などを含む神経管の異常の可能性を下げるとされています。

イギリスとアメリカが定めたガイドラインでは、妊娠前から妊娠12週を過ぎるまでの間、毎日400マイクログラムの葉酸を摂取することが目安とされ、先天的な異常のある赤ちゃんを生むリスクのある妊婦の場合は、5ミリグラムの葉酸の服用が推奨されています。

そして、もうひとつ効果が認められたのがビタミンD。ビタミンD はきのこなどの食品に含まれるほか、紫外線に当たると皮膚内で生成されます。

カルシウムの吸収を促進したり、骨の維持するためには欠かせない栄養素で、不足するとくる病(骨の石灰化が障害される病気)など骨格の問題を引き起こします。

ビタミンDのサプリメントの効果は葉酸ほど明確ではないものの、1日に10マイクログラム摂取することが妊娠期間中や授乳期に推奨されます。

特に悪天候が多い地域(紫外線を浴びる機会が少ない地域)に住む人や、肌の色が濃い人、はビタミンDのサプリメントがより有効となるでしょう。

■マルチビタミンのサプリメントはお金の無駄!

この調査では、葉酸とビタミンD以外、マルチビタミンなど複数の栄養素が入ったサプリメントを摂取しても、妊婦や赤ちゃんにとってメリットがあるとはいえないと結論づけています。

マルチビタミンを毎月購入すると1ヶ月あたり15ポンド(約2,000円)の費用がかかりますが、これはおそらく「無駄な出費」であるとさえいうのです。

この調査ではさらに、「妊婦は、“赤ちゃんのために”というメッセージがあると、高額なものでもつい購入してしまうので注意が必要」と警告しています。

妊娠中は、赤ちゃんが元気に育ってほしいと思うあまり、いろいろな情報に左右されてしまうもの。サプリメントも「妊婦にはこれが必要」などと書かれていると、つい手を出したくなってしまいます。

しかし、ちゃんと食事ができていれば栄養は十分。つわりであまり食べられないときでも、ママに蓄えられた栄養で赤ちゃんは育つといわれています。

サプリメントの「無駄な出費」のかわりに、栄養のあるものをしっかり食べる方が気持ちもスッキリするのではないでしょうか。

(文/平野鞠)

【参考】

Are vitamin supplements for pregnant women a waste of money?-Medical News Today

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