定義変更でどう変わる?アレクやキム兄も取り組む「不妊治療」の基礎知識

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定義変更でどう変わる?アレクやキム兄も取り組む「不妊治療」の基礎知識

日本産婦人科学会は“不妊の定義”についての変更を、8月に正式決定すると発表しています。

現在は「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、避妊することなく2年ほど性生活を行っているのに妊娠しない場合」とされていますが、今回の変更で妊娠しない期間が現状の“2年から1年”に変わることになります。

定義が変わることにより“不妊治療”という言葉がより身近になることが予想されますが、いざ治療に臨むとなるとさまざまな不安もよぎることでしょう。

今回は助産師である筆者が、不妊治療の基礎知識についてお話しいたします。

■女性だけの問題ではない…不妊の原因は3つある!

不妊の原因については、3大要因として「排卵因子、卵管因子、男性因子」が挙げられています。

身近な例ですと、ダイエットやストレス、卵巣機能不全などが“排卵因子”に、クラミジアの感染などが“卵管因子”に深く関わっています。

男性側の原因としては環境の変化が大きく関わっているともいわれており、現代の男性の精子の数が明治時代に比べて約半分になっているというデータもあります。

不妊は女性だけの問題ではありません。原因がどちらにあるということでなく、「夫婦で一緒に向き合っていくこと」が大切です。

■不妊治療を始めるタイミング、止めるタイミングは何歳?

治療を始めるキッカケはそれぞれですが、年齢は平均して35歳前後が多いようです。

“検査の段階”と“治療を開始してすぐ”の時期に妊娠のタイミングがあります。例えば卵管造影などをおこなうことで卵管の通りが改善し、治療開始前に自然に妊娠することも少なくありません。

早いタイミングで妊娠しない場合は、治療が長期に及ぶこともあります。

その場合は、精神的なストレスや経済的な問題も大きくのしかかってきますから、夫婦でしっかりと支え合い、方針を話し合っておくことが重要です。

医療者側にも意向を伝え、よくコミュミケーションを取り、きちんと相談しながら進めていきましょう。

また、不妊治療を始める際は“経済的なこと”も考えなくてはいけません。自治体からの助成も受けられますから、しっかり調べておくことをおすすめします。

治療費の区分としては「保険診療と自費診療」があり、タイミング法や排卵誘発などは保険診療の範囲内で、高額医療費も適用されます。人工授精や体外受精は自費診療になり、具体的な金額は病院によって変わってきます。

経済的な問題は、のちのライフプランにも大きく関わることですので、必ず夫婦で確認しておきましょう。

■夫婦に合ったものを選んで…不妊治療3種類

実際の治療はさまざまな検査を経て、その原因に応じておこなわれますが主な手段は3つあります。

(1)タイミング療法

排卵日を推定し、性交の日時を誘導する方法です。

(2)人工授精(AIH)

細いチューブを用いて、子宮や卵管に精子を送り込む方法です。

排卵があるにも関わらず妊娠しない場合におこなわれます。妊娠の成立は”自然妊娠”と同じプロセスです。

(3)体外受精(IVF)

卵子と精子を取り出し、体外で受精させる方法です。

受精のさせ方には精子と卵子を自然にかけ合わせる方法と、精子を細い針で直接卵子に送り込む方法の2つがあります。そうして得られた受精卵を子宮や卵管に戻すことを“胚移植”といいます。

受精卵を数日内に移植することもありますが、凍結保存することもあります。

一般的には(1)~(3)の順番で進めていきますが、不妊の原因、夫婦の希望や母体の年齢などにより変わります。

不妊の定義が変わることで、「私は不妊症かも……」と不安になる女性も増えるかと思います。

不妊は病気ではありませんが、治療をおこなうにあたってはたくさんの課題に直面することが多くなります。

まずは、「夫婦で共に向き合うもの」であることをしっかりと認識し、信頼できる主治医を見つけましょう。

妊娠や出産は夫婦それぞれのかたちがあるものです。「無理をしないこと、他人と比較しないこと」を強く心に留めてください。

最後に、“不妊治療”は、決して妊娠することが“ゴール”ではありません。

妊娠した後には、無事に出産する、子どもを育てていく、という親としての大きな仕事が控えています。

不妊治療の開始、あるいは中止の決断をする際は、自分達が今後、夫婦として家族としてどんな人生を送りたいのかということを、しっかりと見据えておくことが最も大切です。

【画像】

※ Alexander Raths、wavebreakmedia / Shutterstock

【著者略歴】

※ 城所眞紀子・・・社団法人 Newborn Family サポート協会代表理事/母子の心身の健康に関わる専門職でチームを組み、現在は主に産前産後の自宅訪問によるサポート活動をおこなっている。助産師・2児の母。

HP:http://familiko.jp

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