スターの追善にはTVの再放送が一般的だけど江戸時代のそれは浮世絵だった (2/3ページ)
(林美一「死絵考 その下 –八代目市川團十郎切腹事件」『浮世絵芸術』46号 国際浮世絵学会編集委員会編 1975年11月;原道生「歌舞伎の死絵について」『明治大学公開文化講座「生と死」の図像学』明治大学人文科学研究所編 風間書房 1999;藤澤茜『浮世絵が創った江戸文化』笠間書院 2013)。
■現在の追善メディアの代表はテレビの再放送など
今日の追善メディアには、特別番組の放送、追悼記念版の書籍・CD・DVD などの販売が挙げられる。
ちなみに「死絵」を通してスターの死を追善する行為は、明治期に写真が西洋からもたらされたことがきっかけとなり、浮世絵そのものが衰退してしまったことから、現在ではすっかり忘れ去られてしまっている。
■現代版の死絵に期待!
生前のリアルな姿を写し出した写真や映像もいいが、筆者はあえて、キャラクター化され、シンボル化された形の「死絵」を勧めたい。
そして、村上隆や奈良美智のような、現代の日本を代表するポップアーティストや、彼らに続く若手アーティストたちに、時代を彩った大スターの「死絵」を描いてもらいたいとも考える。
浮世絵は言うまでもなく、日本の漫画やアニメは、言語や国境、国同士の政治的・経済的・歴史的なしがらみを超え、世界中の人々に愛されてきた。江戸期の死絵は、当時の浮世絵界では亜流・傍流だったため、現代版の「死絵」も同様の立ち位置になるだろうが、日本ならではの、スターを悼む方法を今こそ、世界に発信してもいいように思われる。