中国、北朝鮮への制裁を「終了」か…最新貿易データに見る姿勢変化 (1/2ページ)
中国が、北朝鮮に対する経済制裁で、重要な姿勢の転換を見せ始めている。中国の海関(税関)総局が8日に発表した国別の貿易統計を見ると、中朝間の6月の貿易総額は5億377万ドルで、前年同期(4億6042万ドル)より9.4%増加した。
そもそも「同じ穴のムジナ」中朝貿易は、4月に前年同期比マイナス9.1%を記録。5月にも同マイナス8.2%となっていた。
この傾向が6月になって反転したのは、中国から北朝鮮への輸出(2億8807万ドル)と、同18.5%増と大きく伸びたことの影響が大きい。しかしそれよりも注目されるのは、中国の北朝鮮からの輸入が2億8807万ドルと、同マイナス0.7%と、小幅な縮小に止まった点だ。この数字は4月と5月には、それぞれマイナス19.3%、マイナス11.3%と、大幅な減少を記録していたのだ。
これは、とりもなおさず、北朝鮮の外貨獲得の減少に歯止めがかかったことを意味する。
今年1月の北朝鮮の4回目の核実験と、それに続く事実上の長距離弾道ミサイル発射に対する経済制裁で、中国は日米韓などと強調する姿勢を見せていた。
今回発表されたデータは、それが転換されたことを意味するのだろうか?
だとすれば、何が中国にそうさせたのか。政策転換の結果が6月の統計に表れるには、政治的決断はそれ以前に下されていなければならない。
だとすると、すぐに思い浮かぶのは、米海軍のイージス駆逐艦「ウィリアム・P・ローレンス」が、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で現地時間の5月10日、「航行の自由」作戦を実施したことだ。中国を牽制する同作戦は昨年10月、今年1月に続き3回目を数え、さらに、南シナ海での領有権問題を巡り、フィリピンが提起した常設仲裁裁判所の裁定を目前に控えていた。
5月の同作戦を受け、中国軍高官は「武力をひけらかし、徒党を組んで中国に対抗し、仲裁受け入れを迫ることに断固として反対する」と猛反発していた。
6月の貿易データが、中国の対北戦略の転換を意味するのかどうか、その原因が南シナ海の問題や米中関係にあるのかどうか、ここで即断することはできない。