トレンディドラマの裏で大ヒットしたジェットコースタードラマ『もう誰も愛さない』(1991年) (2/3ページ)
というのも、このドラマが放送された91年頃というのは、80年代後期から続いていたトレンディ・ドラマブームの真っ只中であり、実際に同局においても、同じ年にはあの『東京ラブストーリー』や『101回目のプロポーズ』が爆発的な大ヒットを記録。そうした中で明らかに同ドラマが「一線を画す内容」であったことも、その勝因の一つであると言えるだろう。
このことは、多くの視聴者が「おしゃれな男女の恋愛」や「ほんわか系」でドキドキ感や胸キュン感を求める一方で、同時に、「スリリングなドロドロ系」でハラハラ感と絶叫要素も求めてしまうという性質を示しているのかもしれない。なお、このドラマのヒットもあって、翌92年には『あなただけ見えない』が、さらに93年には『もう涙は見せない』と、同じタイプのヒット作を生むこととなったが、そのいずれもが、前出のトレンディ・ドラマや従来のホームドラマの「裏」でヒットした"真逆"とも言える作品。つまり、この手のドラマのヒットは、「それとは180度内容が異なるタイプの作品と共に生まれる」という、隠された秘密が存在しているとも言えそうだ。
さて、そうした中で今年の夏ドラは、TBSが『仰げば尊し』や『せいせいするほど、愛してる』、フジの月9が『好きな人がいること』、日本テレビ系が『家売るオンナ』といった具合に、各局ともに前出の『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』とはまったく異なるタイプのドラマが大人気となっている。そうした意味で言えば、こうした作品がそれぞれ見えない形での相乗効果を生む形で、『もう誰も愛さない』&トレンディ・ドラマのようなヒットを生む可能性も期待できそうだ。