底なしの野望… ソフトバンク孫正義社長「自社製スマホで世界一!」 (2/2ページ)
日本の携帯やビデオが負け組になったのも、世界標準にならなかったからです」(経産省関係者)
今後“世界標準”の最大ターゲットになるのが、米グーグルなども参入している自動車の自動運転化だ。走行コントロールや外部ネットワークとの接続方式、それらを統括するには信頼度が高く省力化できる半導体の“世界標準”がどこになるのか、だという。
「車載ネットワークの通信用半導体、これにはインテルもARMも他の半導体も必死。それを制覇したところが次世代のIT業界の覇者になるのは間違いないでしょう」(モータージャーナリスト)
その一方、これまでイケイケだった携帯電話の伸びが鈍化している。スマホの世界販売台数伸び率は'10年の73%から'14年が28%。そして'15年が10%と下降が著しい。
「'16年の伸び率は1桁台ともいわれており、数年後にはマイナスになる可能性もある。つまり、今のままの機能では頭打ちになるのは必至。ということは、孫社長がARMに期待して投資した3兆円が回収できないことも十分考えられます」(経営アナリスト)
そして今、ソフトバンクに重くのしかかっているのが、12兆円という天文学的な負債。その大きな原因は'13年の米携帯企業スプリントの買収(当時で約1兆8000億円)だ。
「スプリント買収でもくろんだ米業界での携帯再編は大失敗、お荷物になっています。同様にARMも利益が薄くなり、IoTでのメリットが出る前にソフトバンク本体が軋むこともあり得ます」(同)
しかし、そうした苦境の中で孫社長は、常に奇策と新手の資金調達で乗り切ってきた。例えば、今や世界最大のネット通販会社となったアリババの株。ソフトバンクは32.2%のアリババ株を保有。これまでの投資総額はたった105億円で、それが約6兆7000億円に膨れた。今回のARM買収資金調達で4%を手放したが、なお28%を所有する。
「だから負債は、今後ARMを最大どう活用するか次第でしょう。スマホの売れ行きが頭打ちといっても、三菱東京UFJ銀行が預金を引き下ろせるサービスを開始したり、話題の『ポケモンGO』などの使われ方一つで打ち出の小槌になり得る。孫社長が自らメーカーを立ち上げ自社製スマホを作り、さらにソフト開発で世界をアッといわせる新境地を開く可能性も大いにあると囁かれていますよ」(スマホ業界関係者)
「七手先を読む」孫社長の“次の一手”に注目が集まっている。