【ツレが産後ウツになりまして】最終回:夫婦で泣いた、断乳の夜 (3/3ページ)

It Mama

まだ7ヶ月、母乳育児の継続も考えたが、いい機会だと断乳を決意した。今日が、その最後なのだ。

「ねえ、見てえ。こんなに一生懸命飲んでる。かわいい」

「本当に大変だったもんね。りえちゃんはよく頑張ったよ」

「どんなにつらいことがあっても、この子がおっぱいを飲んでくれたら、すべてがチャラになるの。おっぱいを飲んでくれてる姿を見ることが、アタシの生きがいなの」

いつの間にか、ふたりは泣いていた。産後ウツにかかった3ヶ月間、その妻の苦労を知っているからこそ、僕も泣けた。いま思えば、あの3ヶ月は人生修行だった。ふたり逃げることなく戦ったからこそ、この日の涙があったのだ。夫婦で泣いた断乳の夜、これは僕ら夫婦のかけがえのない宝となった。

右のおっぱいを飲み尽くした赤ちゃんは、次に、左のおっぱいにかぶりついた。

<おしまい>

【参考・画像】

※ KieferPix、Alexander Raths、KieferPix、/ Shutterstock

※ 村橋ゴロー(2016)『俺たち妊活部』(主婦の友社)

【著者略歴】

※ 村橋ゴロー・・・72年、東京都出身。大学生のときライターデビュー。以降、男性誌から女性誌、学年誌など幅広い分野で活躍。千原ジュニア、田村淳、タカアンドトシ、次長課長、高橋克典など多くの芸人、俳優陣の連載構成を手掛ける。3年に及ぶ、自身の不妊治療奮闘記をまとめた著作『俺たち妊活部』(主婦の友社刊)が好評を博す。また主な構成/著作に、『すなわち、便所は宇宙である』シリーズ(千原ジュニア著・扶桑社刊)、累計200万部突破した『GO!GO!バカ画像シリーズ』、『裏モテの秘策』(ともにKKベストセラーズ刊)などがある。結婚以来11年間、炊事・洗濯・掃除をこなす兼業主夫でもある。Twitter:@muragoro

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