30℃以上だと「かき氷」が売れる!アイスにまつわる3つの誤解
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食べ物
今年も西日本を中心に猛暑となっています。
暑くなると、つい食べたくなってしまうのがアイスですよね。
マイボイスコム株式会社がインターネットを通じて行ったアンケート調査によると、夏にアイスクリーム類を食べる人は92.4%。
食べる頻度は「週2~3回」が24.1%でもっとも多く、週1回以上食べている人は6割に上りました。
アイスは私たちにとって身近な食べ物のわりに、様々な誤解が蔓延しています。
きょうは、3つの誤解をお話ししましょう。
■1:「暑くなればなるほどアイスクリームが売れる」は誤解
まず、暑くなればなるほどアイスクリームを食べる人が増えるのかというと、そういうことではないようです。
「ある店舗での、最高気温とアイスクリーム・かき氷の売り上げ」調査を、ビジネス気象研究所が発表しています。
それによると、気温が25℃を超えるとアイスクリームの売り上げが伸びはじめるのですが、30℃を超えると、かわってかき氷がよく売れるようになるのだとか。
ビジネス気象研究所の調べでは、乳酸飲料や牛乳などは春から夏にかけて売り上げが伸びますが、盛夏は売り上げが落ちることがわかっています。
アイスクリームも乳酸飲料や牛乳と同様に脂肪分が高いため、基礎代謝の下がる盛夏はアイスクリームよりも、かき氷のほうが好まれるということのようです。
■2:「乳脂肪分が少ないほうがダイエット向き」は誤解
ところで、アイスクリーム類が乳成分の量によって以下の4つの種別に分けられていることはよく知られています。
これらの定義と成分規格は、食品衛生法にもとづく「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」と、「食品、添加物等の規格基準」の2つの法律によって定められています。
・アイスクリーム(乳固形分15.0%以上 うち乳脂肪分8.0%以上)
・アイスミルク(乳固形分10.0%以上 うち乳脂肪分3.0%以上)
・ラクトアイス(乳固形分3.0%以上)
・氷菓(上記以外のもの)
乳脂肪分が多いほどミルクの風味が豊かで、コクがあります。乳脂肪分が多いので、当然カロリーは高くなります。
そこで「ダイエットのためには、乳脂肪分が少ない氷菓やラクトアイスを選んだほうがいいのでは」と思ってしまいがちですが、実はそうとはいい切れないようです。
その理由は、含まれる炭水化物(糖質)の量の違いです。炭水化物とは糖質+食物繊維で構成されています。
100gあたりの炭水化物含有量が、高脂肪のアイスクリームだと22.4g、アイスミルクは23.9g、ラクトイスが22.2g、氷菓に分類されるシャーベットはなんと28.7g。
実は乳脂肪分が少ないアイス類ほど、炭水化物(糖質)の量が多いのです。
氷菓は脂肪分がないのでカロリーが低くなりますが、脂肪分がないということは、ほとんどが炭水化物(糖質)ということ。
カロリーと炭水化物(糖質)、どちらを抑えるべきか悩ましいところですが、乳脂肪分の高いアイスクリームを食べたほうが満足感も栄養価も高いということを考えると、カロリーの高い低いだけで選ぶのは危険な気もします。
■3:そもそも「アイスクリームは太りやすい」が誤解
甘くて乳脂肪たっぷりのアイスクリームは、どう考えたってダイエットの大敵。体を冷やして代謝を下げそうだし……と、つい考えてしまいがちですが、実はそれも誤解。
日本アイスクリーム協会が発表した、早稲田大学スポーツ科学学術院 鈴木正成教授の研究によると、アイスクリームは食後の血糖上昇反応が小さく、吸収されたアイスクリームの脂肪はエネルギーとして分解されやすいとのこと。
また、冷たいアイスクリームを食べると体温が下がりますが、その際に体は体温を戻そうと熱生産を高めるためエネルギー消費が大きくなります。
そのため、商品パッケージに記載されているカロリーよりも、実際に体に蓄積されるカロリーは小さいというのです。
しかもアイスクリームは栄養バランスが優れていて、1日に必要なカルシウムの20%を賄えるほか、脂質やたんぱく質、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2なども含まれているため、毎日に必要な栄養素も効率よくとることができるそうです。
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とはいえ、もちろん食べ過ぎてはもちろんダメ。それはアイスクリームに限らず、どんな食べ物でも同じことです。アイスクリームは2日に1個を目安に、おいしく食べながら健康的な生活を目指しましょう。
(文/宮本ゆみ子)
【参考】