氷床の融解で、グリーンランドの地下に埋めた核廃棄物が流出の恐れ(国際研究)

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氷床の融解で、グリーンランドの地下に埋めた核廃棄物が流出の恐れ(国際研究)
氷床の融解で、グリーンランドの地下に埋めた核廃棄物が流出の恐れ(国際研究)

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 1967年、米軍はある基地を閉鎖した。それは北極圏にあるグリーンランドの氷の下に建設されたもので、200人分の電力をまかなう小型原子炉があった。閉鎖にあたって原子炉は撤去されたが、ガソリンからPCB、原子炉冷却水といった廃棄物はそのまま残された。

 当時、アメリカとグリーンランドを植民支配していたデンマークの思惑では、雪に覆われた地下に埋められた廃棄物は永久に氷の下で眠ったままになるはずであった。

 しかし、『ジオフィジカル・リサーチ・レター(Geophysical Research Letters)』誌に掲載された最新の研究によって、温暖化によって氷床が溶け、有害な廃棄物が地表や海洋に流出する恐れがあることが明らかとなった。

 廃棄物が環境や人体に有害であることは無論であるが、より重要なことは、これによってアメリカ、デンマーク、グリーンランドとの間にデリケートな問題を発生させることだ。

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 アメリカは現在でもグリーンランドに空軍基地を1ヶ所有しているうえに、温暖化の進行で地上最大の島に利用可能な土地が増えればさらに建設される可能性もある。

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「氷下の都市」の評価

 カナダのヨーク大学とスイスのチューリヒ大学が行った研究では、アメリカ陸軍工兵司令部の文書を調査し、氷床の下に眠る廃棄物の量や場所の範囲がおおまかに推定された。

 それによれば、グリーンランド西海岸から200km内陸に入った場所にあるキャンプ・センチュリーはサッカー場100ヶ所分の面積があり、そこに9,200tの固形廃棄物と20,000ℓの化学廃棄物が存在する。固形廃棄物が置かれているのは氷表面から36mの地下だ。さらに計算によれば、2,400万ℓの生物学的廃棄物(主に下水)に加え、原子炉からの放射性冷却水もあると推定される。

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 研究が示唆するもっとも懸念される事態は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)が北極海に流れ込むことだ。これは自然環境において決して分解されないため植物や動物の中に蓄積する性質があり、人体に対して発がん性も有している。

 気候シミュレーションからキャンプ・センチュリーがアブレーションゾーン(年間の差し引きで融解が起きる地域)に入る時期も計算された。2007~2011年にかけてグリーンランドでは2,620億tの氷が失われたが、その大部分は表面の融解が加速していることが原因だ。
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Camp Century Sequence キャンプ・センチュリーシーケンス

 毎シーズン、融氷水が氷床の地下10mにまで浸透し、さらに沈み込みながらそこに残る。これは地下の廃棄物が長期的には地表と地下双方の融氷水の影響を受けるということだ。シミュレーションによれば、今世紀が終わる前までにそうした事態が発生することが示されている。

プロジェクト・アイスワーム

 キャンプ・センチュリーはそれほど有名ではないが、氷床に作られた5ヶ所の基地のうちの1つだ。北極での建設試験や科学実験の実施という表向きの目的のほかに、将来的に実施される氷床地下の核ミサイル施設建設へ向けた実験的な意味合いも隠されていた。

 仮に米軍が600個の中距離弾道ミサイルを氷の下に投棄するという極秘計画を実施していれば、問題はさらに悪化していただろう。この極秘計画はプロジェクト・アイスワームと呼ばれていたが、幸いにも1963年にアメリカ統合参謀本部によって却下された。

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廃棄物に起因する政治リスク

 施設一帯の環境は急速な変貌を遂げており、廃棄物が永遠に地下に眠ったままだと考えることはできない。気候変動はアクセルを床まで踏んでいるかのようなスピードであり、想像以上に早く事態は進行するだろうと研究者は述べる。

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 この問題への対応は、温暖化に起因する氷床の融解と生態系の変化が引き起こす世界の予期せぬ汚染問題に対するモデルケースになるかもしれない。世界の地下は突然の変貌を遂げており、複数の国家と世代を巻き込んだ問題を浮上させようとしている。温暖化が続く限り、同じような問題が世界中で発生することが懸念される。


via:nationalpostmashable/ translated & edited by hiroching




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