【高校野球】東邦だけじゃない!歴史に残る”甲子園の逆転劇” (2/2ページ)
■横浜、延長17回の激闘の翌日に劇的なサヨナラ勝ち
1998年夏の準決勝、「平成の怪物」こと松坂大輔(ソフトバンク)を擁する横浜は明徳義塾と対戦。前日、PL学園との延長17回の熱戦を完投した松坂はレフトでの出場となる。
松坂に代わって先発した2年生左腕・袴塚健次は3回まで無失点に抑えるも、4回、5回と失点し降板。続く2番手の2年生・斉藤弘樹も追加点を奪われてしまう。
横浜打線は明徳義塾の先発・寺本四郎(元ロッテ)の前に沈黙。しかし、明徳義塾が6対0のリードで迎えた8回裏、横浜は寺本を攻略し4点を挙げて2点差まで詰め寄る。
そして9回表、3番手として松坂が登板。前日の疲れを感じさせない投球で3者凡退に打ち取る。松坂の登板によって、甲子園全体は一気に横浜へと流れが傾いていく。
9回裏、横浜は無死満塁から後藤武敏(DeNA)が2点タイムリー。ついに同点に追いつく。ここで明徳義塾は途中からファーストに回っていた寺本が再びマウンドへ。2死までこぎつけるが、途中出場の7番・柴武志がセカンドの頭上をフラフラと越える一打を放ち、7対6で横浜が劇的なサヨナラ勝ちを収めた。
勝った横浜は京都成章と対戦した決勝で、松坂がノーヒットノーランを達成。甲子園春夏連覇を最高の形で締めくくった。
文=武山智史(たけやま・さとし)