「あなたの子がいると負けるから休んで。」あり得ない!NGママ言動とインクルーシブ教育
音楽発表会、舞台で演奏している子ども達。ふと見ると自閉症である子どもが変な顔をしています。
家に帰ってその理由が分かりました。持ち帰った鍵盤ハーモニカのホースを見ると小さな穴があいていました。音が出ないように開けられたものです。
年内解散で話題となっているSMAPの『世界に一つだけの花』の歌詞に「一人一人違う種を持つ 」とありますが、個性の違う他者を受け入れることができないために、いじめなどが生まれます。
今日は、『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子が異質なものを排除する心を生む親のNG言動とインクルーシブ教育についてお伝えします。
■「あなたの子がいると負ける。だから運動会当日は休んで」と言われたママ
足の遅い子がいました。クラスの足を引っ張っていました。運動会でのクラス対抗リレー、その子が入ると絶対に優勝できないことが予想されました。
その親は別の親からこう言われたそうです。「あなたの子がいると負けるから運動会の当日は休んでくれない?」結局は欠席せざるを得なかったそうです。
これを言ったママの子はいつも家で「あいつがいるからうちのクラスがいつも負ける」と親に訴えていたようです。本当はそれを言ったわが子を叱るのが親の役目なのですが、真逆な言葉をかけた親でした。
■子どもに根付く誤った価値観
さて、そこまでして優勝して、子ども達には一体何が残るんでしょうか?
このような子育てをしていると“生産性の低い人間を蹴落としてでも成果を上げることが大事”という誤った価値観が子どもにも沁み付いてしまいます。
“異質なものは排除しよう”の精神、ギスギスした社会を作る人間を“わが子が一番”と思う親心が嵩じて作ってしまっていることに気付いていないのですね。
黒い人、白い人、アレルギー体質の子、健康な子、病弱な子、メガネをかけている子、そうではない子、色んな人がいます。
「知的にも運動能力も劣るから“あなたは必要ない”」と考えるような人間を作ってはいけません。
■インクルーシブ教育
“インクルーシブ教育”という言葉があります。障害のある子どもを含むすべての子どもに対して一人一人の教育的ニーズにあった適切な支援を通常の学級で行う教育のことです。
でも、この教育方針は障がい児に限って唱えられたものではありません。「放っておいてはいけない。お客様にしておいてもいけない」「一人一人の子ども皆違っていい」ということを前提とした教育です。
鍵盤ハーモニカに穴を開けたり、運動会に足の遅い子を休ませる行為は、まったく逆行していますよね。
いかがでしたか。
わが子に“思いやりのある優しい子に育ってほしい”と願っているのならば、クラスに障害児がいたり、学力が低い子がいても「うちの子が足を引っ張られている、迷惑を被っているから、あの子を別のクラスに移動させてほしい」と排除するのではなく、共に学び、助けてやる姿勢を親としてわが子に教えることが大切ではないでしょうか。
【参考・画像】
※ 『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』
※ 『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』
※ pathdoc、Monkey Business Images / Shutterstock
【著者略歴】
※ 立石美津子・・・20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。自閉症児の母。著書は『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『「はずれ先生」にあたった時に読む本』『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』ほか多数。
オフィシャルサイト http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/