【妊婦さんの基礎知識連載】#7 妊娠中期 6ヶ月頃は「歯科検診」がオススメ!歯科医ママが教えるその理由とは?

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【妊婦さんの基礎知識連載】#7 妊娠中期 6ヶ月頃は「歯科検診」がオススメ!歯科医ママが教えるその理由とは?

妊娠6ヶ月は安定期といわれ、プレママもちょっとホッとする時期。

胎動を感じ始めるプレママも多く、赤ちゃんがお腹の中にいる実感がわいてきます。つわりもおさまり、赤ちゃんを迎える準備もはかどります。

そんな安定期こそ、受けてほしいのが「歯科健診」です。なぜ、妊娠中に歯科健診を受けましょうと言われるのでしょうか?

今回は歯科医師である筆者が「妊娠6ヶ月の基礎知識」についてお伝えします。

■妊娠中はむし歯や歯周病になりやすい?プレママこそ歯科健診を受けたいワケとは

「歯医者さんは痛いし行きたくない」というイメージをお持ちの方も多いと思います。しかしながら、専門家の立場からすると、妊活中はもちろんのこと、プレママこそ歯科健診が大切なのです。

その理由は3つあります。

(1)つわりも虫歯や歯周病と無関係ではない

妊娠すると、つわりで歯みがきがおろそかになりがち。

食事回数が増えたり、唾液が減少したり、女性ホルモンの増加など様々な要因から、実はむし歯や歯周病になりやすいのです。

(2)虫歯は赤ちゃんに影響を及ぼすこともある

妊娠中の重い歯周病は、早産や低体重児出産などの引き金になることがあります。

むし歯よりも歯周病は痛みがなく、見過ごされがちです。歯科健診で早期発見し、適切な治療を受けましょう。毎日のケアの仕方も教えてもらえます。

(3)赤ちゃんに細菌を移さないためにママのケアが重要

赤ちゃんに健康なお口をプレゼントする1番のポイントは、赤ちゃんへ細菌をうつさないことです。

出産前こそママを含めた家族全員が、歯科治療や毎日の“オーラルケア”を心がけましょう。

市区町村から妊娠中に歯科健診の案内をもらった方は、ぜひ活用しましょう。母子健康手帳にも妊娠中の歯科健診を記録する箇所がありますので、手帳を持って歯医者さんへ行きましょう。

■妊娠6ヶ月はどんな変化があるの?

(1)胎動が多い、少ないの差は?

ほとんどのプレママが妊娠19週前後から胎動を感じるようです。初めての妊娠では何が胎動かわかりにくいですが、筆者はお腹の中がポコッと動いた感覚がしました。

“始めて胎動を感じた日”はぜひ母子健康手帳に記録しておきましょう。

胎動の感じ方は個人差が大きく、よく動く赤ちゃんもいれば静かな赤ちゃんもいます。羊水の量、ママの皮下脂肪の付き方、初産婦か経産婦かという違いによって、胎動の多い少ないが出てくるようです。

いずれにせよ、妊婦健診で赤ちゃんが元気であれば問題ありません。

胎動を感じると赤ちゃんがいる実感がわきますよね。ぜひパパと一緒に赤ちゃんへ話しかけてあげましょう!

(2)このころ性別がわかるかも!?

超音波検査では、全身が画面におさまらないほど大きくなってきます。気になる性別も超音波検査で見えるかもしれません。

(3)「静脈瘤」に注意

子宮が大きくなるにつれ、下半身の静脈の流れが悪くなります。すると、流れが滞っているところに血液がたまり、こぶのように膨らむことがあります。

これを「静脈瘤(じょうみゃくりゅう)」といいます。できる場所はふくらはぎや外陰部が多いといわれています。

家で実践できる対策としては以下が考えられます。

●長時間の立ちっぱなしをひかえる

●足を高くして休む

●衣類やガードルで腹部を圧迫しないよう気をつける

●サポートストッキングやサポート靴下を利用する

●急激な体重増加に注意する

●カルシウムやビタミンCを十分に摂るよう気をつける

静脈瘤は病的なものではありません。産後は症状も軽減しますが、痛みがあったり、心配な場合は産婦人科医に相談しましょう。

(4)頻尿、尿もれ

子宮が大きくなってくると、膀胱(ぼうこう)が圧迫され、トイレが近くなったり、残尿感があったりという悩みが出てきます。

ガマンすると膀胱炎を招くこともあるため、こまめにトイレに行くことが大切です。

尿もれは、ホルモンの影響で骨盤底筋群のゆるみが原因の1つです。骨盤底筋群を鍛えるエクササイズなどしてみるのをオススメします。

いかがでしたか。

妊娠6ヶ月はマタニティーライフも慣れてきた頃。胎動を感じてお腹もせり出してきて、赤ちゃんの存在を感じやすくなります。

体調のいい妊娠中期に歯科健診を受けておきましょう。家族全員が爽やかなお口で、赤ちゃんを迎えたいですね。

【参考・画像】

※ プレママのデンタルケア – 日本小児歯科学会

※ 妊娠中のママのお口の中 – サンスター

※ たまごクラブ編(2006)『たまひよ新・基本シリーズ 初めての妊娠・出産』(ベネッセコーポレーション)

※ 関沢明彦、岡井崇(2014)『安心すこやか妊娠・出産ガイド―妊娠・出産のすべてがこの1冊でわかる』(メディカ出版)

【画像】

※ Kzenon、Mila Supinskaya Glashchenko / Shutterstock

【筆者略歴】

※ 進藤ゆきこ・・・専門家ライター。自身も子育て真っ最中の歯科医師、歯学博士。「毎日のオーラルケアをママとベビーのハッピータイムに」をモットーに、親子でお口の健康をもっと身近に感じてもらえるよう取り組んでいる。

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