【高校野球】《高校球児スピードスター列伝》甲子園・歴代最速男たちの成長の軌跡 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■小学6年生にして125キロを投げた怪童

 2013年夏、2年生にして甲子園歴代最速タイ記録となる球速155キロを投じたのが済美の安樂智大(現・楽天)だ。

 そんな安樂は小学生の頃から怪物ぶりを発揮。小学6年生にして125キロを投げる、まさに怪童だった。もっとも、中学時代はどんなに頑張っても最速132キロ(もちろん、それでも十分すごいのだが)。中学で140キロを出すことを目標としていた安樂としては伸び悩みを感じることがあったという。

 ところが、高校入学直後(本人曰く、2日目か3日目)にいきなり142キロを計測。以降、上甲正典監督との二人三脚による「160キロ計画」がスタートした。

 高校時代の最速は愛媛大会での157キロ。「安樂160キロ計画」はプロ入り後の現在も進行中だ。

■背中を痛めるほどの剛速球を投げた男

 甲子園大会最速記録、左腕投手歴代1位は球速154キロを計測した花巻東の菊池雄星(現・西武)だ。

 中学時代は盛岡東シニアのエースとして活躍。3年時に東北大会準優勝。当時は最速135キロだった。

 そんな雄星の成長を支えたのが明確な目標意識。当時から絶対にプロ野球選手になりたいと思っていた雄星は、「同級生でプロになれるのは全国で約50人。全国で50人ということは、岩手からはひとり。ならば、岩手県で一番の練習をしなければならない」と、誰よりも練習に励んだ。

 その結果、中学2年の夏から秋にかけての短期間で球速が15キロもアップしたという。

 その後、花巻東に入学した雄星は1年生投手として夏の甲子園デビュー。145キロを計測して話題を集めた。

 2009年、3年春のセンバツではMAX152キロ。最後の夏の甲子園で154キロを計測するまでに成長を遂げた。もっとも、そのスピードボールを投げるため、体をねじ切らんばかりに旋回していたことが仇となり、甲子園期間中に背中痛で戦線離脱となってしまった。

 プロ入り後、肉体改造を図った雄星。2015年にはプロ野球左腕史上最速となる157キロを計測し、その先も見据えている。

 8月27日18時からは、大学日本代表との壮行試合も控える高校日本代表と今井達也。日の丸のエースナンバーを背負う経験を経て、その右腕の更なる成長を期待したい。

文=オグマナオト

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